ライカレンズの最高の組み合わせラインナップを考える【画角ごとのおすすめ】

ライカレンズの最高の組み合わせラインナップを考える。【画角ごとのおすすめ】

ライカにはいろんな種類のレンズがあります。作られた時代や設計者により、目指す方向性や描写の傾向など様々です。Elamr 5cmまで過去に遡るとそれはもう選択肢が多いのですが、実際問題その中から好みのものを探すのは一苦労。

レンズを揃えるときに重要なポイントのひとつが「組み合わせ」です。同じテイストで写真を撮りたいのなら画角ごとに近い方向性の描写や親和性のあるものを選ぶ必要があります。組写真や写真集を作ろうと思っているのならなおさらですね。

ここではそれぞれのテーマに沿って焦点距離毎におすすめのレンズをピックアップし、最高のラインナップを考えてみようと思います。

レンズチョイスのテーマとして以下の3つ。

  • とにかく現代的なシャープさ、精細な描写を求めるもの。
  • ライカ的なウェットな雰囲気を備え印象深さを重視したもの。
  • オールド感が強く、一癖二癖ある個性豊かなもの。

レンズのカテゴリ分けとして代表的に考えられそうな上記の形をまずは想定してみました。それではいってみましょう!

【現代的、精細な描写傾向】の組み合わせ

レンズの性能として如何に解像感があって、隅々までシャープであるかに重きを置いた選択です。解像感という言葉は抽象的なので具体的に示すのは難しいのですが、出てきた画の中に存在するものがひとつひとつ細かに描かれており、その微細な集合の積み重ねによって写真が凄みを持つ、みたいな感じです。

製造年数が近ければ近いほどこの傾向はあるのですが、中でもとりわけシャープな印象のものを選んでみました。

21mmのおすすめレンズ

Super Elmar 21mm f3.4 ASPH.

Super Elmar 21mm f3.4 ASPH.PHOTO BY Kelly Burkhart

Super Elmar 21mm f3.4 ASPH.
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とにかく目を見張るようなシャープさが売りのスーパーエルマー21mm。21mmでは最も信頼感あるレンズだとも言われています。スーパーアンギュロンの後継レンズでもありますがこちらにはアンギュロン独特の柔らかさは息を潜めた形。

28mmのおすすめレンズ

Elmarit 28mm f2.8 ASPH.

Elmarit 28mm f2.8 ASPH.PHOTO BY MaxDeVa

Elmarit 28mm f2.8 ASPH.
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これも非常にシャープで、建物写すならこのレンズっていうくらい安定感あるエルマリート28mm。写したものを丁寧に描ききり立体感を生み出します。非常にコンパクトなのも人気の理由です。

35mmのおすすめレンズ

APO Summicron 35mm f2.0 ASPH.

APO Summicron 35mm f2.0 ASPH.PHOTO BY Sanshiro KUBOTA

APO Summicron 35mm f2.0 ASPH.
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ライカの次世代レンズのひとつアポズミクロン35mm。神経質でカリカリな描写というわけではないけれど、手に取るような解像感が特徴。しかも寄れるんだからこれ一本でどこまでもいけてしまうすごいやつ。

50mmのおすすめレンズ

APO Summicron 50mm f2.0 ASPH.

APO Summicron 50mm f2.0 ASPH.PHOTO BY Misha Sokolnikov

APO Summicron 50mm f2.0 ASPH.
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奇をてらわずに王道な選択ですが、やはりこのアポズミクロン50mmの存在感は別格で、発表された当時も衝撃が走りました。自分で見るよりもよく見える、と表現する方もいるくらい、リアルにそこに存在するかのように描く力強さを持ちます。

75mmのおすすめレンズ

APO Summicron 75mm f2.0 ASPH.

APO Summicron 75mm f2.0 ASPH.PHOTO BY cool3dpictures

APO Summicron 75mm f2.0 ASPH.
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75mmは選択肢が少ないのですが、その中でも開放からシャープでピントのキレが良いのがこのアポズミクロン75mmです。75mmとしては比較的小さい鏡胴で、オールマイティに使えるレンズでもあります。

90mmのおすすめレンズ

APO Summicron 90mm f2.0 ASPH.

APO Summicron 90mm f2.0 ASPH.PHOTO BY Lars Plougmann

APO Summicron 90mm f2.0 ASPH.
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APOと名の付くレンズの中では古参のレンズ。目立った癖もなく開放からしっかり使えるようアポクロマート補正の恩恵を受けた良レンズ。

135mmのおすすめレンズ

APO Telyt 135mm f3.4 ASPH.

APO Telyt 135mm f3.4 ASPH.PHOTO BY Paolo Gamba

APO Telyt 135mm f3.4 ASPH.
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135mmで最も現代的な描写をするのはこのアポテリート135mmです。テレエルマーもすごいレンズですが、その更に上をいく精細な写りが期待できます。望遠を極めたいならこのレンズ。

このラインナップのまとめ

なんだかんだで精細さを強みとする描写を求めるならAPOレンズという結果になりました。35mm〜であればボケもそれなりに出せてきますので、ピントの合焦部となだらかなボケとの対比を売りにしやすいレンズ達でもあります。

これらを揃えると性能的にはいわゆる落ち度のない完璧な道具が備わり、どのレンズを選んでも最高の質を保ちつつ自身の表現に最大限活かすことができると思います。最上のクオリティを求めるならまず間違いのない選択です。

【ウェットな質感&印象深さ重視】の組み合わせ

ライカの描写の良さといえば以前は「ウェットな質感」とよく言われていました。ツァイスがどこか厳密で正確な描写傾向にあることに比較されてのことだったのかもしれません。今のライカは基本緻密でシャープな描写ですが、どこかにまだ湿潤な印象を見出してしまうのはオールドライカファンだけでしょうか。

それはともかく、今でもどこかに熱や湿度を感じる有機的な描写を求める人が跡を絶ちません。そんなライカの魅力を味わえるレンズ達です。

21mmのおすすめレンズ

Elmarit 21mm f2.8

Elmarit 21mm f2.8PHOTO BY Kenneth C

Elmarit 21mm f2.8
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この塩梅。ザ・ライカという人も多いのではないでしょうか。初代エルマリート21mmは超広角の中になんともいえない情緒を生み出すレンズです。個人的にも思い出の深いレンズ。

28mmのおすすめレンズ

Hektor 28mm f6.3

Hektor 2.8cm (28mm) f6.3
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ヘクトール28mmはウェット中のウェットというか、ヌメッとした独特の雰囲気を持つ変わった存在。少しピントの芯ががずれるような不思議な魅力に取り憑かれるファンも多いようです。写りすぎないレンズの代名詞ですね。

35mmのおすすめレンズ

Elmar 35mm f3.5

Elmar 3.5cm f3.5PHOTO BY melquiades1898

Elmar 3.5cm (35mm) f3.5
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エルマーの35mmはとにかくその薄さで手に取りやすいレンズですが、最近また人気のレンズとなりつつあります。ライツ時代の地力のあるレンズであり、隅々までシャープとは言えないながらハッとさせられる景色を写し出してくれることがあります。

50mmのおすすめレンズ

Summitar 50mm f2.0

Summitar 50mm f2.0PHOTO BY Tom Hart

Summitar 50mm f2.0
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ズミター50mmは数多くあるライカの50mmの中でもややマイナーなレンズです。ズミクロンほど写らず、ズマールほど個性的でもない。しかし何かを捉える魔力を秘めている、そんなレンズでしょうか。独特のウェット感で好んで使う人もいるレンズ、いかがでしょう。

75mmのおすすめレンズ

Summilux 75mm f1.4

Summilux 75mm f1.4PHOTO BY Adam Singer

Summilux 75mm f1.4
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ズミルックス75mmはある意味中望遠の花形レンズです。そのサイズと重量もさることながら、やはりノクティルックスにも匹敵する開放のピントの薄さ。それと絶妙な淡い描写が特徴です。使い方によっては非常に幻想的なライカならではの写真が撮れると思います。

90mmのおすすめレンズ

Summicron 90mm f2.0 1st

Summicron 90mm f2.0 1stPHOTO BY Jas Man

Summicron 90mm f2.0 1st (第1世代)
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Thambar 90mm f2.2

Thambar 9cm (90mm) f2.2
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ズミクロン90mmの初代はとにかく大きい鏡胴で持ち運びに適さないレンズですが、ファンの多いレンズでもあります。やはりそこは現代にはない収差のマジックで、丁寧に線を紡ぐような温かみを感じる写りです。

そしてタンバールは言うまでもなくライカの中でも異端なレンズ。滲み崩れていくような絶妙な描写は被写体を選びますが、これを表現として使いこなせれば唯一無二の作品になりそうです。

135mmのおすすめレンズ

Hektor 135mm f4.5

Hektor 135mm f4.5PHOTO BY HM

Hektor 135mm f4.5
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このヘクトール135mmは光を捉えるのがすごく上手いレンズだと思います。上手く光が入れば非常に水々しく、こってりした上質な画が撮れるレンズです。ウェットなライカらしさを感じる135mmなら、このレンズがおすすめです。

このラインナップのまとめ

万人に分かりやすい描写ではなく、写真を多く見ている人に何か心に引っかかるポイントを作るなら、ということで選んでみました。どのレンズもやや使いこなしが難しいレンズだと思います。むしろこのレンズの特徴を知り尽くして思うように撮れるようになったらライカの達人の域かと。ライカ的質感はいつでも簡単に出るものでないがゆえに、奇跡的な一枚を追い求めて日々鍛錬する。そんな求道者にこそ使って欲しい組み合わせです。

【オールド感が強く個性豊か】の組み合わせ

オールドレンズ、というと時代的なくくりなのですが、今のレンズにはない個性を持つレンズという枠です。レンズの構造上の収差が残ったがゆえにそれが個性となり愛されるレンズ。これに魅了される人は跡を絶たないのはここにライカの銘レンズが数多く存在するからでもあります。使いこなすのは難しい、けれど上手く使えば他では得られない特徴が写真を強く演出してくれます。

21mmのおすすめレンズ

Super Angulon 21mm f3.4

Super Angulon 21mm f3.4PHOTO BY HM

Super Angulon 21mm f3.4
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言わずとしれた21mmの銘玉スーパーアンギュロン21mm。このレンズ見た目も特徴的なのですが描写もとにかく面白いです。一見すごくシャープに見えるんですがよく見るといろいろ甘いんですよね。柔らかいのに固く見えるという不思議。色味も少しライカ的ではなく、癖があります。たくさんの写真家に使われ、今も話題に事欠かないレンズです。

28mmのおすすめレンズ

Summaron 28mm f5.6

Summaron 28mm f5.6PHOTO BY HM

Summaron 28mm f5.6
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ズマロン28mmは個人的に好きなレンズのひとつ。中心部はシャープなのに周辺へ行けば行くほどぼやっとします。この特性から妙な趣を得られる楽しさがあるレンズです。周辺減光も激しいのでこれが個性的な画作りに一役買います。

35mmのおすすめレンズ

Summaron 35mm f3.5

Summaron 35mm f3.5PHOTO BY Mike Maguire

Summaron 35mm f3.5
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階調豊かなレンズが良いレンズだとすると、このレンズはすごく良いレンズです。見ているものの奥深くに潜むものを引き出して描いてくれ、見た目は小さくて頼りなさそうだけど聡明なレンズ、という感じです。非常に長く愛されているレンズのひとつ。

50mmのおすすめレンズ

Summarit 50mm f1.5

Summarit 50mm f1.5PHOTO BY J

Summarit 50mm f1.5
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ライカの中でもやや珍しいグルグルタイプのボケが出るレンズ、ズマリット50mm。個人的には昔あまり好きではなかったのですが、使い方を工夫すればとても魅力あるレンズだと再評価しています。きっちり撮りすぎないでラフに扱うと良いレンズだと思います。

75mmのおすすめレンズ

Hektor 73mm f1.9

Hektor 7.3cm f1.9PHOTO BY HM

Hektor 7.3cm (73mm) f1.9
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すべての被写体をヘクトール風に切り取ってくれる中望遠レンズ。しっかり写っているんだけどどこかで破綻しているような、美しい崩壊をイメージさせます。発色も独特で、被写体の個性を浮き彫りにさせるなら右に出るものはないレンズ。

90mmのおすすめレンズ

Summarex 85mm f1.5

Summarex 85mm f1.5PHOTO BY Sanshiro KUBOTA

Summarex 85mm f1.5
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90mmに近い画角、ライカでは唯一の85mm大口径レンズ。非常に贅沢な作りでずしりと重いものの、オールドレンズらしさを残した気品あふれる細かやかな質感に優れた描写が特徴です。開放で写し込む画は幻想的で、作品作りの強力な味方になります。

135mmのおすすめレンズ

Elmar 13.5cm f4.5

Elmar 13.5cm f4.5PHOTO BY Jon Callas

Elmar 13.5cm (135mm) f4.5
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135mm望遠レンズとしては最初期に作られたエルマー13.5cm。趣の中に真実味を内包するような描写で何とも味わい深いレンズです。映画のワンシーンのように切り取るならこのレンズでしょう。

このラインナップのまとめ

個性のオンパレードというラインナップになりました。それぞれが独特な個性を持ちつつ、それぞれが主張をするがゆえにこの組み合わせで使っても意外とまとまりがあるのではないかと思っています。

またこれらのレンズはf値によって描写の変化が大きいレンズです。開いたり絞ったりしながらその都度描きたいように選択できる可能性に満ちています。

そして写真を組み合わせて見せる場合は、その描写の特徴を上手く流れに活用することでより印象的に見せる工夫もできるでしょう。そういった余地を楽しむことのできる、非常にライカらしいラインナップでもあると思います。ライカの旨味を味わい尽くすならこの組み合わせですね。

まとめ

ライカレンズの最高の組み合わせラインナップを考える。【画角ごとのおすすめ】

3つのテーマに沿って組み合わせを重視したレンズラインナップを考えてみました。普段はレンズそのものを単体で見ることが多いと思いますが、組み合わせるとなるとこのレンズよりも実はこっちのほうが良いかも?と新しい発見があったりしますね。

それぞれのテーマ毎のレンズはなるべくテイストが近くなるような選択になっていますが、あえて外すことで効果的に使用できることもあるかもしれません(例えば人物は収差たっぷりで有機的に写し、建物は硬質に写すことで対比を出すなど)。目的に沿ってレンズを選択すれば撮りたいものやその撮り方もより一層明確になります。

しかしながらレンズそのものの魅力に誘われ、使ってみたい一心で買ってしまうのがライカレンズだったりするのですが…いやはや難しい。でもそれも楽しみながら上手くレンズの性能と付き合って、このレンズだからこそ撮れた、という写真が生まれたらそれこそ最高です。あなただけの組み合わせ、考えてみませんか。

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