なぜライカを使い続けるのか【ボディ編】
なぜライカを使い続けるのか、ライカレンズについては【なぜライカを使い続けるのかーレンズ編】で書いたが今回はライカのボディ編。M型ライカをなぜ使い続けるのかについて記してみようと思う。コンデジ、一眼レフ、ミラーレス、そしてスマートフォン。現代においてカメラのあり方が多様な中、レンジファインダーというある種特殊な機構がもたらすものについても迫っていきたい。
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CONTENTS
ライカボディを使い続ける理由ーダイレクトな直感の反映
写真を撮るとはどういうことか。いろんな角度から語ることができると思うが、ひとつは「目の前にある特別な(撮るべきだと思った)出来事をなるべくそのまま受け取ること」だと思っている。そこに作為が入ると「そのまま」ではなくなり、自分の意図した後付の世界になるのだが、自分が見たときの自分なりの世界をそのまま写すとなると、ダイレクトに反映できる機構が必要になる。
ライカというのはこのダイレクトさにおいて他に追随を許さないゆえに、ライカを選ぶ、というかライカしかないからライカにする、というところがある。
ライカであれば目の前に何かが起こりそうだと予感したら距離を測ってピントリングを回しておく。あとはここだと思う瞬間にボタンを押すだけだ。この直感のダイレクトさに慣れてしまうともう他に代えられないのだ。
ライカボディを使い続ける理由ー確実性と不確実性
ライカというのは良くも悪くも不確実性を残したカメラだと思う。というのも、ご存知の通りブライトフレームはざっくりした範囲しか示さないし、レンジファインダーでは被写界深度は確認できない。「完全に現実世界を制御して取り逃がさないためのカメラ」でないことは言うまでもない。
でも面白いことに、この曖昧さというのが写真において一種の真理を示しているように思えて仕方ない。
写真というのは3次元的な立体(+時間やあれこれ)を強制的にストップさせて平面に出力する装置だ。今見ているものがそこに必ずあるという保証はないながらも、カメラを向けてシャッターを押せば何かしら強制的に吐き出される。
そこに確実性を求めれば求めるほどに写真が確かな現実のコピーになっていきそうなものだが、実際はそう簡単なものでないことは写真をやっている人なら深く感じるところがあるだろう。
だからこそ、この出力変換部分に多少余白を持たせる必要がある。そうすればその余白に哲学や精神的なものが入り込む。これを意図してか、もしくは機械の構造上受け入れているのがライカだと私は思う。
人間の知覚や行動を厳密に制御して、0か1か決めるには限界がある。だからこの多少あやふやなライカが思考するにはちょうど良いのだ。私が写真を撮りたいからではなく、なぜ写真を撮るのかを考えるためにライカを買った理由はここにある。
ライカボディを使い続ける理由ーとにかく見た目が良い
ここはもう多く語る必要はない。世の中には良いデザインとそうでないものがある。そして美しいものはそれだけで価値がある。ライカに関わりライカを作った方へ称賛を送りたい。
ただし、カメラとしてはずっしり重い。そこはまだ完全に受け入れられていない。いつかバッテリー込みで450g位になって欲しい。
ライカボディを使い続ける理由ーシンプルであること
ライカの良さは余計な機能が少なくシンプルであることだ。シンプルであることは難しい。そしてシンプルであり続けることも。
大抵のカメラメーカーは機能がない→不満に繋がることを恐れてあらゆる機能をつけようとする。結果、操作性が複雑になり別の不満が拡大する。
では何が必要で何が不必要なのか。それを決めるには写真における撮影行為の本質に迫らなければいけない。これは画質や写真機能の本質とはまた別のベクトルで、真の意味でデザイン哲学が求められる。一般の人が想像するデザイン=見栄えのことではなく、行動や認知のデザイン哲学はけっこう難しいのだ。
この練られたシステムを追体験することで私達は撮影行為のコアな部分に直接アクセスできる。これがライカを使うメリットだと今でも思う。
ライカボディを使い続ける理由ーまとめ
以上が自分がライカボディを使う理由だ。思いつく限り書いてみたが他にも細かな部分でいろいろあるだろう。
決してライカ=至高、と特別視しているわけではないが、実際のところ他の選択肢はどうしても小さく見えてしまう。レンジファインダーのシステムを新しく組み上げるのがカメラメーカーにとってどういうことなのか、そこまでは知る由もないのだが、個人的にはライカ以外のレンジファインダーもいろいろ新しく出て欲しい。
もしくは今後もっとダイレクトに写真を撮れる仕組みが生まれれば喜んで受け入れるだろう。まだまだこの過渡期の変遷を見続けていたいと思う。
X(@soyumn)やってます。
ライカで撮った写真やライカ関連ツイートを日々更新中。
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