ライカレンズはどのように買っていくのがおすすめか

ライカレンズはどのように買っていくのがおすすめか

ライカにおいて最も悩ましいことのひとつがレンズ選びです。使用方法や何を撮るか、各々の予算で様々な選択肢が生まれるため、正解が見つけづらいのが現実です。

ここではライカをこれから手にしようとしている人、そしてすでに持っていてレンズを追加しようとしている人に向けて、どのようにレンズを買っていくのがおすすめか探っていこうと思います。

ライカの基本的なレンズ選びの基準

ライカレンズはどのように買っていくのがおすすめかLeica M10 + Super Angulon 21mm f3.4

まずはレンズを選ぶ際に考えるポイントをいくつか上げて、そこに対して自分が何を求めるのか明確にするのが良いと思います。漠然と考えると著名人の意見や作風、レンズの個性で見極めようとしてしまいます。何でも基本方針が固まると動きやすいです。じっくりと向き合いましょう。

オールドレンズか最新のレンズか、収差の捉え方

写真の性格を大きく決める描写を左右する要素の1つがレンズの作られた時代です。古いものはオールドレンズとされ、その個性の豊かさが人気です。一方その描写に含まれる収差(設計上出てしまう光学的な不具合のようなもの)を改善していったのが現代の最新のレンズです。どちらにも良し悪しがあり、一長一短です。

現代のレンズは完璧な性能で隅々までクリーンに写る一方味気ないと言われます。ライカとしたら収差を頑張って克服したのに悲しいことです笑

逆にオールドレンズは硬すぎず自然な描写が多く、ハマるとユニークな画作りが魅力的ですが扱いにくさも多々あります。またそのユニークな描写に頼り切ってしまって、写真としての魅力を追求することを忘れてしまう方もちらほら…

最新のレンズはライカの知を結集したものですからだめなものは基本的にありません。しかし新しいものにも「傾向」がありますので、そのレンズの特徴や方向性を見据えた上で買うのが好ましいです。

オールドレンズに関しては、収差がきついものは本当に時と場所を選びます。扱い慣れるまで苦労し、その間「他のレンズが気になって仕方がない」といった状態にもなりかねません。高い買い物になるため初心者は安易に手を出さないのが懸命かもしれません。

なお、わずかな収差=癖は画作りに非常に魅力的な側面を追加してくれます。個人的にはこういった味がある写真が好きです。この味の塩梅は難しいのですが、、、後でこのような味のあるおすすめレンズも紹介します。

細部まで描写されていることから生まれる「凄み」「質量」「奥行き」のようなものを重視するなら現代のレンズが良いでしょう。描写自体がクオリティを後押ししてくれ、良い写真へ近づきやすくなります。

一方、写真に不確定要素(フレア、ゴースト)を許容したり、現実とは異なる空気感(写真的な現実)を求める場合はオールドレンズが良いと思います。写真でしか表現できないことを求めたり、非現実的な独自性を作り上げたい場合には非常に役立ちます。

ライカレンズの軽さ、コンパクトさ

いきなり質問です。あなたはなぜライカを選んだのでしょう?かっこいいから?みんなが使っているから?描写が好きだから?どれも正解かもしれませんが、多くの人は「高品質なのに比較的小さいから」だと思います。

ではそのライカに大きなレンズを付けると、、、せっかくライカを選んだ意味が少しなくなってしまいます。ライカが好きになればこういったことも問題なくなるのかもしれませんが、軽さとコンパクトさは常に重要です。軽いレンズについては下記にまとめています。


ライカの見た目、組み合わせ、実用

「かっこいいからライカを買った。」それもありだと思います。それならばレンズとの組み合わせも大事です。愛することのできる機材であれば写真をより撮りたくなることでしょう。

シルバーのボディにはシルバーのレンズを合わせたくなりますし、作られた同時代の組み合わせを考慮する人もいます。またそこにファインダーやアクセサリー、ストラップやケースなどを組み合わせて自分だけのライカを作るのが醍醐味でもあります。

また別の視点として如何に実用的であるか、というのも大事なポイントです。あくまでカメラは道具ですから、こういう被写体を撮るならレンズは小さくて、でも操作しやすいほうが良いからピントノブがあるタイプで、、、等々。実用性という点でもよく考えてみましょう。

ライカの基本画角の決め方

M型ライカにはズームレンズがありませんので、まずはじめに基本となるレンズを決めるということになります。予算が潤沢にある方は一通り揃えて使ってみるのが良いと思いますが、そうでない場合はまずひとつレンズを決めて使い込むと、ライカのいろはが理解できてとてもおすすめです。

基本画角のレンズは35mmか50mmか、という議論がよくあります。好きなほうを選べば良いのですが、それぞれメリット・デメリットがあります(35mmはブライトフレームの関係で眼鏡の人には使いにくいですし、50mmは慣れないと凡庸な写真になりやすい、など)。風景をよく撮るなら35mm、人や物が中心なら50mmという感じで撮りたいものに合わせて選びましょう。ちなみにどんな被写体でもまずは一本のレンズで撮ってみる、という行為も非常におすすめです。

ライカでの撮影対象や撮影方針

上記の画角と関係しますが、何を撮りたいのか、どう撮りたいのか、どういう方針で写真をやっていきたいのか、ぼんやりとでも考えておくと必要なものが明確になりやすくなります。例えばスナップなら、少し遠目に、客観的に、街全体を写し、そこにいる人達の関係を写し出したい→24mm〜28mmのレンズで開放F値は大きくなくて良いレンズ、などです。逆にポートレートでじっくり人を写し、余計なものを入れず、表情だけをよく見せたい→90mm中心に開放F値が大きく、サイズも大ぶりでも良いレンズ、などのような感じです。

ボケをどう捉えるか

ライカでボケの大きなレンズは基本的に高価なレンズになりますので憧れを抱きがちです。しかしそのボケ、本当に必要でしょうか?ボケはあくまで写真の表現方法のひとつです。必ずボケさせる必要のある写真というのはそれほど多くないと思います。ボケは楽しいですが写真の本質ではありませんし、大きすぎるボケは非現実的な描写になりがちです。写真におけるボケについてレンズ購入前に一度考えてみましょう。

さてここからはすでにレンズを所有しているかどうかで、それぞれレンズを買っていく方法を考えます。

まだひとつもライカレンズを持っていない場合

基本となる画角を決める

まずは基本画角を決めましょう。もしライカ以外にカメラを持っていてズームできるなら、ズームした状態で固定していろんなものを撮ってみましょう。多くの撮りたいものがちょうどよく収まる画角が、あなたにとっての標準となる基本画角です。もし2つの画角で迷ったらなるべく広角側を選ぶと良いかもしれません。ライカは広角が得意な設計になっているのと、高画素モデルだとクロップしても十分に活用できることが多いためです。

レンズに個性を求めるかどうか

レンズの個性は使う前だとなかなか分かりにくいです。そしてレンズの個性は使い方次第です。個性的なレンズは魅力的ですが、最初の1本のレンズを検討しているならやや没個性気味なレンズをおすすめします。なぜなら時と場所を選ぶレンズだと被写体に苦労します。はじめのうちはいろんなものをたくさん撮るのが良いので、レンズの味付けが邪魔をしないものを選ぶのが良いでしょう。

良い写真=良い描写の写真ではありません。どのレンズで撮るか<どう撮るか、ですので、レンズは万能であればあるほど長く使えます。私も個性的なレンズはいくつも手にしましたが、結局よく使うのはバランスの良いレンズです。いわゆる定番のレンズを多くの人がおすすめするのはそういった理由からですね。

開放値の明るさよりも絞ったときの奥深さ、地力で選ぼう

これには異論のある方もいるかもしれませんが、絞って本当によく写るレンズは良いレンズです。ただし見極めが難しいです。最新のレンズであればほぼよく写ります。逆にオールドレンズの中には絞ってもあまりよく写らないレンズがあります。これは上級者向きです。作例などをよく見て判断する必要があります。

おすすめMマウントレンズ

これらをふまえて、いくつかのケース毎におすすめのレンズを考えてみました。

iPhoneの写真に慣れているなら→

Elmarit 28mm f2.8 ASPH. 第5世代

Elmarit 28mm f2.8 ASPH.
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とにかくよく写りクセの少ないレンズです。



やや味のある個性派→

Summilux 35mm f1.4 2nd 第2世代

Summilux 35mm f1.4 2nd (第2世代)
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絞るととにかくよく写ります。

Summaron 35mm f3.5

Summaron 35mm f3.5
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オールド感はありますが、ライカの地力を感じるレンズ。



癖の少ないオールマイティ派→

Summilux 50mm f1.4 ASPH.

Summilux 50mm f1.4 ASPH.
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これを買えばしばらくレンズ選びをせずに済みます。

Summicron 50mm f2.0 1st 第1世代

Summicron 50mm f2.0 1st (第1世代)
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個人的に最高の50mmだと思います。



究極の普通なら→

Elmar 5cm f3.5

Elmar 5cm f3.5 1st (第1世代)
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長く寄り添うことで良さが分かるレンズです。



予算の関係で他社製レンズを考える場合、

Carl Zeiss(カールツァイス)

標準タイプ→

Biogon 35mm f2

Biogon 35mm f2
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非の打ち所がないレンズ。コスパも○。



やや味のあるタイプ→

C Sonnar 50mm f1.5

C Sonnar 50mm f1.5
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Carl Zeissの50mmといえばこれ。



Voigtländer(フォクトレンダー)

Ultron vintage line 35mm f2

Ultron vintage line 35mm f2 Ⅰ, Ⅱ
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Voigtländerの35mmの決定版。小さくてもすごいやつ。

Heliar classic 50mm f1.5

Heliar classic 50mm f1.5
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オールド感が最新技術で甦ったレンズ。良いとこ取りできます。

Heliar vintage line 50mm f3.5

Heliar vintage line 50mm f3.5
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ライカにエルマーがあるならフォクトレンダーにはヘリアーが。良いレンズの代表。

すでにいくつかライカレンズを所有している場合

Leica M10 + Summilux 35mm f1.4

画角を埋めるようにレンズを揃えるのは意味があるか

ライカの単焦点をメインに使うようになると、その画角で撮れないものを撮りたくなる欲求に駆られます。より遠くのものを求めて望遠を試し、より広大な景色を収めるために超広角へ意識が向かいます。

ただしレンズ交換というのは何気に撮影のリズムを崩す作業になるので、軽快なスナップを主体とする場合などはレンズ交換を行わなくなることもしばしば。いくつか揃えてみたものの、実質よく使うのは標準レンズだけということも多々あります。

しかし、新しい画角にチャレンジすることで可能性は必ず広がります。広角側で撮っていたけど自分には中望遠のほうが合っていた、など発見もあります。また意識的に画角を変えることで物を見る視点が大きく変わりますので表現に変化が出てくるメリットもあります。またレンズを携帯することに難がなければ、常にいろんな画角を揃えておくことは撮影の幅が広がりますので単純に利点が大きいです。

結論としては、意味があるかは状況による、ということですが、まずはいろいろ試してみるのが良いです。

より明るいレンズだからといって満たされるわけではない

F2.8のレンズを持っていたらF2だとどうなるのだろう。F1.4では、、、F1.0では?

ライカでは明るいレンズを手にすれば劇的に自分の写真が見違えるように変わるのではないかと幻想を頂いてしまうことがよくあります。事実、ボケの大きさによって表現できることが増えるため、F1.0のようなノクティルックスでしか撮れない画というのは確かに存在します。

しかしボケも使い方や表現に工夫がいるので、ただボカしているだけではすぐに飽きます。しかも明るいレンズは大ぶりで重いので、意気揚々と手に入れて使ってみても何だか満たされないというのもよくある話です。そしてどうしたら満たされるのだろうといろんなレンズをとっかえひっかえしてズブズブとレンズ沼に引き込まれるわけです。それが趣味なら良いのですが「良い写真をただ撮りたい」のならば別。少し冷静になって次の項のように慎重にレンズ選びをする必要があります。

撮りたいものを撮れるレンズを買う

レンズ選びで最も重要なことといえば、「撮りたいものを撮れるレンズを買う」これです。撮りたいものは人によって様々な上、何を撮りたいのかそもそも考えたことがない人もいるかもしれません。

写真に憧れカメラとレンズを手にしていた。何だかかっこいい写真を撮りたいが何を撮って良いのかわからない。これでは宝の持ち腐れです。レンズを探すより自分を探るほうが先、の状態です。

なぜ写真に惹かれるのか、何を撮りたかったのか、何にいま興味があるのか、考える時間を取るのはどうでしょうか。それさえ見つかればそれに合うレンズを探せば良いのです。場合によってはレンズを買う必要もなく手持ちのもので事足りるときもあります。足るを知る、これも大切です。

ライカレンズを買う順番に正解はあるのか?

もちろん確実な正解なんかはないのですが、考えるべきことは多少あります。それは極端な性質のレンズを買うよりかは「近くて少し違う」レンズのほうが有用性が高いので優先すべき、ということです。

例えば現代的な描写の35mmレンズが好きならオールド感の強い90mmや21mmより、モダンな28mmレンズを買うほうが幸せになれます。理由としては35mmと28mmは一見大きな差がなさそうで明確な使用用途の違いがあります。35mmに慣れ親しんでいるからこそ、28mmとの違いがよく理解でき、その違いを生かした写真を撮りやすくなります。

逆にこの差が大きすぎると画角に振り回されてしまったり、上手い使いみちが見いだせなかったりします。つまり標準画角の外堀を埋めるような形で揃えていけば、難なく多様な撮り方に馴染めるということですね。

ちなみに昔に私が揃えたライカレンズの順序としては、35mm → 50mm → 90mm → 28mm → 135mm → 21mm → 75mmの順でした。75mmは使ってみてもっと先に買っておけば良かったなと思ったことを記憶しています。

まとめ

Leica M10 + Elmar 135mm f4

ライカレンズはどのように買っていくのがおすすめなのかを探ってきました。

ライカのレンズはどれも魅力あるため、どうしてもレンズそのものに注意が行きがちです。またプロダクトとしても非常に美しいものが多いためコレクションとして集める人が多いのも納得できますが、写真表現の追求という点においては過剰な収集は無意味です。

オールドレンズが流行ったり特殊な撮影手法が広まることもありますが、小手先のテクニックに流されず自分はどうしたいのか、常に考えながらレンズ選びをするのが大切です。

もちろん調べ抜いて選んだもののどうしても相性がよくないことも多々あります。その場合は潔く手放すのも良いでしょう。価値が大きく変わらず売りやすいのもライカの良いところですから。

自分だけの1番のレンズを見つけられ自信を持って撮影に臨めたら、それこそ最高の体験になること間違いなしです。

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