ライカの魅力とは(人気の理由)
写真を撮る人なら誰もが一度は耳にする「ライカ」というメーカーの存在。現在のカメラの原点でもあり究極のカメラとも言われる所以は様々ありますが、ライカの魅力とは何なのか、ライカが皆を惹きつけてやまない人気の理由をあらためて記していきます。なおライカの特徴については「ライカと他のカメラの違い」でふれており、その価格の高さについては「ライカはなぜ価格が高い?」でも解説していますので、読んでもらえると更に理解が深まるかと思います。
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魅力あるライカのデザイン
ライカを特徴付けているものとしてまず目に入ってくる魅力はそのデザインです。ライカというカメラを見たとき、まずはそのカメラ本体の美しさが際立って印象に残ります。現在の主流であるM型ライカは、まだデジタルカメラが存在しないフィルムの時代にM3というモデルを発端として始まりました。M3を見ると分かるように今のM型ライカとほとんどデザインが変わっていません。それほどM3は完成されていたということになりますが、当時からライカのデザインというのは無駄な装飾は控え、ミニマルで質実剛健という一貫したスタイルです。そうしたある種、無機質で機能美を追求したデザインの中にライカの筆記体の有機的なロゴ、そして赤バッジが加わることで何とも言えないモダンな魅力あるデザインに仕上がっています。(赤バッジには賛否両論ありますが)
カメラと言えばライカというほど「THE CAMERA」の形として認識されているライカですが、これは時代や流行に流されず、カメラとして究極の形を模索した結果なのではないかと考えられます。
道具としてカメラを捉えたとき、美しさの魅力は二の次かもしれません。しかし所有したくなるカメラ、いつでも手にしていたいカメラというのは写真を撮るうえでも重要な要素のひとつだと思うのです。
参考:ライカの伝説的なカメラ
ライカはシンプルで写真に集中できるという魅力
ライカは現代の多くカメラとは違ってアナログな部分を多くもつカメラです。主流のM型ではオートフォーカスはなく、手ブレ補正もありません。しかし撮影に必要な設定の多くは物理的な操作で行えるので、撮りたい対象や状況に合わせてそれらを選んでいくのが撮影の楽しみであり魅力でもあります。多くの機能を持ったカメラでは撮影の設定に戸惑ってしまったり、機能を使い切れずに利用されないボタンが多数あったり、と撮影自体が煩雑になることもありますが、ライカの場合はとてもシンプルです。絞り、ISO感度、シャッタースピードを決めてピントを合わせればあとはシャッターを切るのみ。
写真を撮るだけでこんなにも設定をしないといけないの?と感じる方は、すべてオートの撮影をされて来たのかもしれません。カメラ任せでオートに写真を撮る、というのはあくまでひとつの方法で、それが良い状況も時にはあります。しかしカメラとレンズが勝手に撮ってくれたものというのは満足感が少なく、記憶にも残りにくいように思っています。後で見返すと果たして自分が撮ったものなのか…と怪しくなって、いつしかそういった写真への不満も溜まり、写真自体にも飽きてくる、といったことも起こりかねません。
ライカを使うと初めて写真を撮ったときの緊張や高揚みたいなものがよみがえり、写真を撮るというのはこんなに楽しかったんだ、と改めて基本に立ち返ることができる魅力にあふれています。カメラに使われてただシャッターを押した写真から、カメラを使ってどう撮るかを考えた写真へ。自分自身の写真を撮る喜びがそこにはあります。
ライカの魅力はその控えめな佇まいに
M型ライカではカメラのサイズは顔の半分くらいかと思います。とてもコンパクトです。もちろん小さいだけのカメラというのは星の数ほどありますが、ライカの性能を備えてこのサイズというのはとても重要です。人を撮るときに一眼レフを向けると、撮られ慣れていない人は緊張してかまえてしまう、ということが多くあります。しかしライカの場合はカメラ自体の存在感が控えめで、威圧感はそれほどありません。また顔半分がカメラで隠れて、撮られる人と撮る人がコミュニケーションをしながら撮影できます。にこやかに笑いながら話しかけ撮影することができれば、自然な笑顔を引き出しやすいのもライカの魅力かもしれません。
またシャッターを切ったときのシャッター音もとても控えめで魅力的です。モデルによって少しずつ音は異なりますが、どれも撮影者に気づかれにくいレベルの音です。フィルムの時代では、たくさんフィルムカメラがある中でライカだけが静かにシャッターを切れるため、唯一劇場への持ち込みを許されたということがあったようです。程よく撮影のリズムを持たせてくれて、音を気遣う場所でも撮影できるライカはとても稀有な存在です。
ライカは圧倒的な解像力と美しいボケが魅力
ライカのカメラ、つまりボディも大変魅力的ですが、それと合わせてレンズもとても魅力的なラインナップが揃っています。ライカのレンズはその圧倒的なまでの描写力&解像力が評判で、たとえ50年以上前のレンズであっても現行のカメラに装着して撮影すると、その質の高さに驚いてしまうほどです。
現在のライカでは様々な技術を集結して、コンパクトでありながら収差がなく、恐ろしいほどのスペックを持ったレンズを作り続けています。それらはすきがなく現代的でソリッドなものである一方、あえて往年のレンズ収差のような表現を備えたレンズも作っているところが興味深いポイントです。それらは以前のレンズへのオマージュというだけでなく、レンズが持つ特徴や味わいのようなものが写真において現代でも重要だということを物語っているように思われます。
例えばオーディオの世界でも、とにかくはっきりクリアに聞こえるスピーカー、人の声が魅力的に聞こえるスピーカー、など種類があるように、カメラやレンズのメーカーにもそれぞれの特性があります。ライカには「写真をより魅力的に見せる何か」が備わっているように思えます。いわゆる「ボケ」もそのひとつかもしれません。ボケ=ピントのあっていない部分ですが、この部分は意図的に設計される箇所ではないそうです。しかしライカで撮られた写真ではボケているところもとても魅力的に写ります。その滑らかな描写はまるでいま自分自身の目で見ているように見え、人の目に近いレンズと言われることも。数あるライカレンズの中からお好みの一本を見つけ出せたならその喜びもひとしおです。
ライカは価値が変わらず資産になるという魅力
デジタルカメラの世界は競争や刷新が激しく、次々と新しいモデルが発表されます。その度に以前のモデルは価値がないものとされ、ただ消費されてきました。ライカではその性能の高さと普遍性から、過去のモデルもあまり価値が下がらないという魅力があります。特にレンズにおいては数十年前のものであっても価値が変わらないどころか上がっているものもあるような状況です。
ライカでは無理のない設計思想でその当時の技術を最大限盛り込み、手間をかけて常に最高のものを作り続けています。そのためライカの製品は時が経っても色褪せることなく、魅力を保ったままいつまでも価値あるものとして多くの人に愛されています。(もちろん技術は常に進歩しているので、昔のレンズは開放だと若干解像が甘かったりもしますが)
ライカ製品の価格はたとえ中古であっても高いですが、それはいつまでも変わらない価値と魅力があるからこそです。しっかりとメンテナンスをして、より良い状態をキープして付き合っていけば、いつまでもライカは自分の資産となってくれることでしょう。
X(@soyumn)やってます。
ライカで撮った写真やライカ関連ツイートを日々更新中。
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