安く手に入れる、初めてのライカ

安く手に入れる、初めてのライカ

初めてライカを買おうとなったとき、やはり価格が高いのが気になる方も多いはず。安いライカはないのか?ライカに入門に最適なモデルは?様々な疑問があるかと思います。ここでは後悔しないライカの始め方、選び方を解説していきます。

ライカの魅力を感じられる初めてのライカの選び方

まず初めにデジタルカメラのライカを2種類に分類すると、ドイツライカ製のライカと日本パナソニック製のライカに分かれます。ドイツのライカ製のライカはいわゆるM型ライカなどの主力製品で、大多数の人が思い浮かべるライカはこちらのことを指します。一方日本のパナソニックが作っているライカというのも存在し、ライカブランドとして世に発表されているものの、パナソニックが作ったカメラをライカが少しアレンジした、というニュアンスの製品となっています。(いわゆる「OEM」というタイプの製品になります。)ライカの中でも比較的価格の安いモデルは、このパナソニック製であることが多くなります。

パナソニック自体も素晴らしいカメラ機器メーカーなのでライカと提携しているわけですが、このパナソニック製ライカは、ややライカらしさという点で控えめであることが多いように感じます。(ライカらしさとは何なのかを知るには「ライカの魅力とは」や「ライカの写りと特徴」を読んで頂ければと思います。)これらも良いカメラではあるものの、ライカの醍醐味を得るという点では少し物足りなく、最初に買うモデルとしてはライカ製のライカをおすすめしています。

ちなみにこのパナソニック製ライカですが、おそらく立ち位置としては「ライカのカメラグッズのひとつ」のようなものだと認識しています。M型ライカは持っているものの、旅先でもう少し気楽に撮りたいとか、寄って撮る必要のあるものや動きの早いものを撮りたいときにサブ機として使うことで、広範囲の撮影をカバーできるという役割があるように思います。

ではライカらしいライカの中で具体的にどのモデルがおすすめなのでしょうか?なるべく安い価格で始めたい、という方も多いかと思いますのでライカ入門として最適なモデルをピックアップしました。なお価格については中古品を含めており、価格変動もありますのであくまで参考程度として下さい。

安い価格(~5万円)のライカ

いきなりではありますが正直ちょっと難しい価格帯です。しかしフィルム機ならあります。中程度のバルナックライカなどは5万円以内で購入できます。バルナックライカはとてもライカらしさにあふれていて良さがあるものの、このサイトはあくまでデジタルカメラに焦点を当てて解説をしているので候補外。現代的なライカで5万円以内となると…ライカゾフォート!…インスタントカメラですね。これはこれでとても面白いものですが、少し趣旨が異なります。パナソニック製のライカで中古なら購入できるかもしれませんが、早まらずに少しだけ予算をあげてみるのがおすすめです。購入したいのは長く愛用できるデジタルライカ、です。

安い価格(~10万円)のライカ

この価格がひとつめの本筋となります。カメラにいくら出すのが適正なのか、という議論は白熱しそうなものの、初めてカメラを買う人が頑張って出せる金額のひとつの目安なのではと思います。結論から言うとライカX1というデジタルカメラがとてもおすすめです。

ライカX1というのはライカが初めて発表したフィルムカメラ、バルナックライカの形を元にデジタルカメラを作ったようなモデルとなっています。カメラ自体はコンパクトで単焦点レンズが付いている仕様。発売は2010年。少し前のカメラとなるものの、今でもカメラ自体のデザインは素晴らしく時代性は特に感じられません。そしてX1で撮った写真を今現在見ても、十分にびっくりするほど現代的でライカらしい写真となっています。このカメラはRAWでも撮れるのですが、そのままjpgに変換してくれる画像がとにかく素晴らしいです。何とも言えないライカらしい写真を写し出してくれます。逆にRAWからこのjpgの絵作りを再現するのが難しいほど、ライカ特有のエッセンスが詰め込まれているカメラと言えるかもしれません。ライカの魅力を詰め込んだ写真が軽快に撮れるカメラ、どうでしょうか。

“Leica
中古でライカX1を探す

もうひとつ、おすすめなのがライカT(Leica T Typ 701)です。こちらは2014年発売のAPS-C ミラーレスカメラです。レンズは別売りとなります。手をかけてアルミの塊から削り出したボディはとても美しく、またコンパクトながらしっかりとライカらしさのある高品質な写真を撮ることができるカメラです。モデルチェンジをしているため、初代のライカTは求めやすい価格で売られており狙い目なのではないかと思われます。

Leica M9
ヤフオクでライカTを探す

ライカTは発売と同時に専用のTLレンズシリーズを出していますが、これは普通にライカ価格で今でも値が張るため、どのレンズをつけるのかがポイントとなってきます。

ライカTはマウントアダプタをつけることでMマウントのレンズをつけることが出来ます。また更にM/L変換リング(Mバヨネット変換リング、Mバヨネットアダプターリング)と呼ばれるものをつけることで、オールドレンズであるライカスクリューマウント(Lマウント)のレンズもつけることが出来ます。これらは純正だとけっこうな値段がするのですが、様々なメーカーから安く手に入れることもできます。



Mマウントのレンズをつけるとなると、初代Summicron 50mm F2.0やSummaron 35mm F3.5あたりが間違いのない描写ながらも安い価格で手に入れられるのでおすすめです。スクリューマウント(Lマウント)だとElmar 50mm F3.5などになりそうです。

Summicron 50mm f2.0 1st
ライカの5万円程度までのレンズを探す

またMマウントの場合はライカ製でないレンズをつけるという方法もあります。フォクトレンダー(VoightLander)はそこそこ安い価格でMマウントレンズをたくさん作っています。NOKTON classic 35mm F1.4 SCなどだと5万円程度で手に入るようなので、ライカTとアダプターを買って10万円程度という予算でライカを始めることが出来ます。



ちなみにライカTの場合センサーがAPC-Cサイズなので、Mマウントのレンズの焦点距離に1.5をかけた数値が実際の焦点距離になるので注意が必要です。35mmのMマウントレンズをつけると50mm相当ということですね。標準の画角で始めたい方は広角よりのMレンズを買う必要があります。

やや工夫が必要なライカTとすぐそのまま使えるライカX1。気軽にライカを楽しみたいけれど妥協したくない方にはライカX1がおすすめです。重さもそれほどなく、快適なスナップを楽しめます。そして写る写真は今でもすごいレベルです。そしてレンズを変えてこだわりたい方にはライカTがおすすめです。標準のマウントは今後様々なレンズを試せますし、Mレンズ、Lレンズも楽しめます。もしM型ライカに興味が移った場合はそのままレンズは移行できるのも魅力です。10万円で始めるライカ入門。悩ましいですが、この悩んでいるときも楽しいのがライカの魔力です。

予算20万円のライカ

予算をあげて20万円出せばどのようなライカが買えるのでしょうか?カメラとしてそれなりの出費となり高級機が買える価格帯となってきますが、ライカの場合はどうでしょうか。

ライカX (Typ113)というX1の後継機もこの価格帯で手に入れられるようです。しかしけっこうな価格を出してレンズ固定式を買うのはどうなのか、同じようなサイズ感でフルサイズのライカQ(予算はあがります)という選択肢もある中、とても難しいところです。またライカCL(ボディ)を中古でという選択肢も出てきます。こちらは現役仕様なのでこれからも楽しみなモデルでもあります。

どれが最も良い選択なのかというのは目的と用途によって変わってくるでしょう。気楽にいつでも持ち歩いてまずはたくさん撮ってみたいのか、大きなプリントも視野に入れて本格的に写真をやりたいのかにもよります。

そこで個人的なおすすめを紹介するとなると、「M型ライカを買う」という選択肢です。ライカM8というカメラは初めてM型のデジタルカメラとして2007年に発表されたモデルです。センサーはコダック製のCCD APS-Hというもので、フルサイズのM9と比べると若干小さいものの、写りはライカの主力製品だけあって唸るような描写が期待できます。

先述の通りライカはモデルを刷新しますが、それぞれに個性があって以前のモデルを愛用する人が多いのも特徴です。ライカM8は色味で独特の仕様があるものの、そこは正統な後継機だけあって完成された印象のあるカメラです。レンズと合わせると少し予算をオーバーするかもしれませんが、ライカの最も伝統あるM型をこの安い価格で始められるというのはとても魅力的だと思います。

参考:写真家 菅原一剛さんによるM8についての話

Leica M8
中古でライカM8を探す

ライカM8を購入してレンジファインダーに実際に触れてみて、撮影を始めるととても新鮮な体験が待っていると思います。そこには写真を撮る素直な喜びがあり、様々な気付きがあり、これがスタンダードなライカのスタイルなのかと感じる要素がたくさん詰まっています。徐々にライカの写真に慣れていく始めのモデルとして、このM8という選択肢は大きいのではないでしょうか?

予算40万円のライカ

ここまでいくともはや一般的な感覚では安い、とは言いにくいのが正直なところではありますが、ライカの中ではまだ予算を抑えた部類に入るとも言えます。さて、この価格帯の場合の選択肢もいくつかあり、人によって最適なモデルというのは変わってきそうです。候補としてはいくつかあると思いますが、主観を入れて以下に絞ってみようと思います。

  • M型ライカ M9系(M9、M9-P、M-E)
  • ライカQ

ライカM9

M9は最も大きな選択肢として上がってくるかと思います。外観のデザインや機能としてもライカの頂点として完成しきった印象のあるカメラです。現行のM型と比べると採光窓(ブライトフレーム用)があり、細かなスペックの違いもありますが、いわゆるライカの魅力をすべて感じられるフラッグシップモデルといって良いと思います。(さらに上にライカSもありますが)

M9の大きな特徴はそのフルサイズのコダック製CCDセンサーにあります。ちなみにM9の次のモデルからはCMOSセンサーに変更されたため、このセンサーを使った最後のM型ライカとなっています。このセンサーの特徴としては暗部にはやや弱いものの、特別な魅力のある写真を撮ることができます。CCDかCMOSかという議論もあるほどで、どちらが優れているかというのは絵作りの違いもあり一概に言えないのですが、このM9でしか撮れない写真が確かに存在します。現行のM型とは別にライカM9を使い分けるという方もいるようで、他に変わりのないこのカメラは現役で使うのに最適のモデルです。またブラックペイント仕様のものは使っているうちに塗装が早めに剥げてきます。それがアンティークのような風合いを持ち、工芸品のような独特の佇まいに育っていく楽しみもあります。(あえてそれを初めから施したモデルもあります。)

Leica M9
中古でライカM9を探す

なお欠点を上げるとすると、
・ISO感度を上げるとノイズが出やすく暗部に弱い
・背面の液晶の精度が悪い


といったところでしょうか。暗部耐性については、幸いライカは明るいレンズが揃っているので工夫をしつつ撮れば問題がないとも言えます。また背面の液晶機能はあくまで操作パネルの表示がメインなので画像チェックは大まかにする、くらいの使い方が良いでしょう。液晶のついていないモデルもあるライカなので、「シャッターを切ってすぐ液晶で細かに確認する」というスタイルよりも、バシバシ撮って撮影に集中するほうが良いとも解釈できます。

ちなみに、M9系はM9、プロフェッショナル用のM9-P、廉価版という位置づけのM-Eがあります。細かな違いはあるものの、ほぼ好みで選んで構わないかと思います。外観としては赤バッジやM9という数字の刻印をどう受け止めるかによりそうです。ライカM-Eは性能としてはM9と変わらないうえ、アンスラサイトグレーという絶妙なカラーリングが目を引きます。シルバーのレンズも相性が良く、個性的なライカになりますので特におすすめです。ちなみにライカではトップカバーにクラシックなライカのロゴを入れてくれるエングレービングサービスというものがあります。M9-Pにはこのロゴがもともと入っていますが、M9やM-Eでも入れてもらうことが出来ますので、好みに合わせてカスタマイズするのも良いですね。

どことなくフィルムの暖かい雰囲気も漂うM9。個人的に一番おすすめです。

Leica M9
ヤフオクでライカM9を探す

ライカQ

ライカQは万能なカメラです。卒がないというよりある種完璧なスナップカメラかもしれません。M型ライカの欠点を克服し、どのようなときも気軽に素晴らしい写真が撮れるカメラに仕上がっています。シンプルでハイクオリティ、ライカの良さをギュッと詰め込んだ35mmフルサイズのミラーレス仕様で、本質的な写真への道に案内してくれるすごいカメラです。レンズを固定式にすることで得た高い解像力、ライカの最先端の技術を詰め込んだ性能、そして端正なデザインなど、魅力がまさにあふれるモデルとなっています。

これを買って後悔することはおそらくありません。手に入れることで豊かな写真生活が始まります。現在のライカの魅力を味わうのであれば最も適したモデルといえるかもしれません。ただ、もし交換レンズを試してみたい、他の画角で撮影してみたいとなるのであればレンズ交換式のカメラを検討する必要が出てきます。ライカQはクロップ機能(撮った写真を35mmや50mmサイズに切り出してくれる機能)があるので一台で十分楽しめるかもしれませんが、どのような写真を撮りたいのか一度考えてみることも大切です。何を撮りたいのか、どういった撮影スタイルが向いているのか、いろんな人の写真を見ながら考えてみることで自分に適したモデルを選んで頂けると良いかと思います。

Leica Q
中古でライカQを探す

さいごに

予算が潤沢にあるという方であればより様々な選択肢があります。欲しいと思ったものを買う、というのはとても贅沢ながら求めている写真に近づく最短の一歩でもあります。現行のモデルはライカの実店舗で触れることが出来ますので、まずはいろいろと手にとってみて検討するのが良いと思います。もししっくり来るものがあったなら、それは良き出会いかもしれません。

いくつかのライカを紹介してきましたが、ライカ入門にどれが一番というものはありません。人の数だけ組み合わせがあり、どれもがその使い手の技量によって力を発揮できるカメラになるためです。初めからカメラとレンズを数本買い込める方も少ないかと思いますので、まずはじっくりとお気に入りの一台/一本を見つけて、使い切るくらいのつもりで取り組むといろんなことが分かってきて写真ライフが豊かになることでしょう。

ライカがもたらす写真の世界は奥深いです。その魅力を紹介する本やサイトもたくさんあります。この記事がひとつの参考となり、自分なりのライカを探求していくきっかけとなれば幸いです。

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