0からはじめるデジタルライカの写真

私達はいつも写真の「色」で悩んでいる。理想の色とは何なのか。写真の色とどう向き合ったら良いのか。ただデジタル写真を良く見せたい、その答えを探り、ひとつの結果としてプリセットを作りました。

色と現像の尽きない悩み

これまで正直なところ色味の表現が上手くいかないがゆえにモノクロを選択することが多々ありました。シーンに合わせたプリセットも個人的にいくつか作っていたのですが（自然の風景専用、都市型スナップ専用など）どうしてもすべてに適用するには不自然さが残り、どこにも属さない写真をどうするかが課題でした。

そこでとにかく汎用的であること＝どんな被写体であっても通用すること、を条件に作り始めたのがこのプリセットです。

ここでは「汎用的であること」と「写真として個性を付与しないこと」は別物として捉えています。写真の中には主張して欲しい色とそうでない色が確実に存在します。なのでこれまで写真を膨大に見てきて、条件的に好ましいと思う色調とそうではないものをなるべく明確にするところから作業は始まりました。

プリセットをあてた植物。目の覚めるような空の色が印象的になった。

世界の色を取捨選択する

現実世界には見せたい色、見せたくない色が混在しています。それでもカラーという表現を選びたい人が主流です。またモノクロだとコントラストで見せられる表現がカラーだと散漫になってしまうこともあります。

ではどうするか。

写真全体を自分が見せたい色になるべく集約していって、その色達のコントラストで写真を強調すること。これによって元の写真そのものが持つコントラストはなるべくそのままに（写真がギシギシしないように努めつつ）メリハリのある写真を目指せるようになりました。左がBefore、右がAfterです。

このプリセットの特徴を言葉にすると、

• 写真として強さを持ちやすい
• 色の鮮やかさを感じやすくなる
• 青が深くなる
• 赤と黄色が印象的になる
• 全体が過剰に彩度が高い写真ではない
• 非現実的にはならない

このプリセットの良いところはあからさまに特徴的、独創的なフィルターをかけていないところです。

〜風なプリセットはたくさんありますがどうしてもすべての写真に適用できるわけではないので使いづらいです。そのプリセットをかけたものとかけてないものの差も激しく同居できません。また流行りとの関係性もあるので飽きやすく長く作品として残すにも使いづらかったりもします。

Before

After

このプリセットはあくまで色にフォーカスしてますので、応用が効きます。ここから更にコントラストを上げたり、暗部に色を乗せてカラーグレーディングしたり、逆に彩度を下げても良いでしょう。写真としてのベースをこのプリセットで当てて、そこから更に作り込むという使い方もおすすめです。

写真としてコントラストがばっちりの場合、また色がそれほど写真に大きく作用していない場合はプリセットを当てても大きな変化がないように作っています。

以下の２枚もプリセットを当てた写真です。

ライカを使っている、いないに関係なく、同じように色に悩まされている人にぜひ一度試してみて欲しいと思っています。