【比較】ライカのM型デジタルは結局どれが良いのか【特徴とおすすめ】

【比較】ライカのM型デジタルは結局どれが良いのか【特徴とおすすめ】

ライカには様々なデジタルのM型カメラがあります。

ナンバリングが上がっていく度に、より便利により機能的に、画素数も上がっています。しかし過去のモデルは今もなおそれぞれの魅力があり、一概に新しい方が良いとは限らないのがM型の悩ましいところ。

新しくライカを買うならどのモデルが良いのか。これまでのM型の特徴を簡潔にまとめつつ、比較しながら選ぶポイントを解説していきます。

LEICA M8

LEICA M8
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LEICA M8の仕様(スペック)

マウント
Mマウント
撮影形式
デジタル
タイプ
M型ライカ
レンジファインダー
0.68倍
シャッター最高速
1/8000
シャッター最低速
32s
ISO
160〜2500
撮像素子
APS-H 1030万画素 CCDセンサー
露出モード
自動モード、マニュアル
液晶モニター
2.5型 LCDモニター
サイズ
139×80×39mm
重量
545g
製作年
2006-2009
カラー
ブラック / シルバー
市場価格
約200,000-300,000円

LEICA M8の特徴とおすすめ

ライカ初のM型デジタルカメラとして登場。センサーサイズはフルサイズより若干小さいAPS-Hだが、このM8にしか出せない絶妙な絵というのが存在します。M8で撮ると透明感というか、スーッときれいな空気感まで映し出すような雰囲気があって、今でも根強い人気があるんですよね。

LEICA M8PHOTO BY Vincent

有効画素数は1030万画素と今では少し小さくも感じられそうだが、webやSNSではもちろん充分。巨大なプリントを前提としなければ問題ないレベルかと。

センサーサイズの関係でレンズの画角が多少変わりますが、それもメリットと捉えることはできます。あとダイヤルで1/8000でシャッターを切れる唯一の機種なので大口径レンズ好きには嬉しい。

デジタルM型の中では比較的安価なので、手軽にちょっと一味違う通なライカを求める人におすすめです。

LEICA M8PHOTO BY Romain Guy

LEICA M9

LEICA M9
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LEICA M9の仕様(スペック)

マウント
Mマウント
撮影形式
デジタル
タイプ
M型ライカ
レンジファインダー
0.68倍
シャッター最高速
1/4000
シャッター最低速
32s
ISO
160〜2500
撮像素子
35mmフルサイズ 1800万画素CCDセンサー
露出モード
絞り優先AE、マニュアル
液晶モニター
2.5型TFTカラー液晶モニター(約23万ドット)
サイズ
139×80×37mm
重量
585g
製作年
2009-2012
カラー
ブラック / グレー
市場価格
約250,000-400,000円

LEICA M9の特徴とおすすめ

ライカ初のフルサイズデジタルカメラ。コダック社製のCCDセンサーによる色表現が特徴的で、こちらもM8とまた違った意味で根強いファンがいるモデル。発売後にセンサーのカバーガラスコーティングが剥離する症状が発生。現在はこの交換も終了しているため、対策済みか剥離が起きていないカメラを探す必要あり。

LEICA M9PHOTO BY miguelsantaeulalia

カメラとしては非常に使いやすくフィルム機のような佇まいが良い印象。ただし現在のカメラほど暗所に強くないのでこれもフィルム機並みと考えた方が良いです。とにかくこってりなフィルムライクな色味の描写に惹かれたら買いです。なおM9-Pは細かいブラッシュアップはありますが、平たく言えば赤バッジが好きか、トッププレートの筆記体ロゴが好きかで選んで良いかと。

LEICA M9PHOTO BY David Guyler

LEICA M Monochrom

LEICA M Monochrom
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LEICA M Monochromの仕様(スペック)

マウント
Mマウント
撮影形式
デジタル
タイプ
M型ライカ
シャッター最高速
1/4000
シャッター最低速
32s
ISO
320〜10000
撮像素子
35mmフルサイズ 1800万画素 モノクローム専用CCDセンサー
露出モード
絞り優先AE、マニュアル
液晶モニター
2.5型TFTカラー液晶モニター(約23万ドット)
サイズ
139×80×37mm
重量
600g
製作年
2012-2015
カラー
ブラック / シルバー
市場価格
約350,000-500,000円

LEICA M Monochromの特徴とおすすめ

ライカM9-Pをベースとしたモノクロ専用機。カラーフィルターを取り除くことでM9で撮った画像をただモノクロで変換したときよりも格段に美しい画像が得られるカメラになっています。

LEICA M MonochromPHOTO BY Silvision

そしてモノクロであるがゆえの特徴を活かして、暗所でも高感度で撮影できるようになっているのが大きな違い。

なおライカモノクロームタイプでボディにシルバークロームがあるのはこのモデルのみ。ライカのモノクロ専用機の中でも未だにこのM9ベースを好んで使う人はけっこう多い印象。

LEICA M MonochromPHOTO BY MaxDeVa

LEICA M (Typ240)

LEICA M (Typ240)
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LEICA M (Typ240)の仕様(スペック)

マウント
Mマウント
撮影形式
デジタル
タイプ
M型ライカ
レンジファインダー
0.68倍
シャッター最高速
1/4000
シャッター最低速
60s
ISO
200〜6400
撮像素子
35mmフルサイズ 2400万画素 CMOSセンサー
露出モード
絞り優先AE、マニュアル
液晶モニター
3.0型TFTカラー液晶モニター(約92万ドット)
サイズ
139×80×42mm
重量
680g
製作年
2013-
カラー
ブラック / シルバー
市場価格
約350,000-500,000円

LEICA M (Typ240)の特徴とおすすめ

以前のCCDセンサーからCMOSセンサーに変更されたライカ。これによってライブビューが可能になり、ミラーレスのようにEVFで覗いて撮影もできるようになっています。また動画がとれる唯一の機種。バッテリーや熱排出の関係でボディにちょっと厚みがあります。

LEICA M (Typ240)PHOTO BY Paolo Gamba

M9の問題点を概ね改善したので、現在のデジタルカメラの基準と照らし合わせても遜色なく使いやすい機種です。

絵作りはM9より自然な印象で、ライカらしい繊細な描写に適していてこちらも人気があります。M-P (Typ240)もあります。

LEICA M (Typ240)PHOTO BY Scott Stevenson

LEICA M (Typ262)

LEICA M (Typ262)
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LEICA M (Typ262)の仕様(スペック)

マウント
Mマウント
撮影形式
デジタル
タイプ
M型ライカ
レンジファインダー
0.68倍
シャッター最高速
1/4000
シャッター最低速
60s
ISO
200〜6400
撮像素子
35mmフルサイズ 2400万画素 CMOSセンサー
露出モード
絞り優先AE、マニュアル
液晶モニター
3.0型TFTカラー液晶モニター(約92万ドット)
サイズ
139×80×42mm
重量
600g
製作年
2015-
カラー
ブラック
市場価格
約400,000-500,000円

LEICA M (Typ262)の特徴とおすすめ

M240から動画機能、EVF機能、ライブビュー機能を除いたシンプルモデル。トッププレートがアルミになり少し軽量化されています。

LEICA M (Typ262)PHOTO BY Tiefengeist

ライカに何を求めるかですが、シンプルで潔いこと、240より安価であることなど、多くの人にメリットが多いのではないでしょうか。外観も少し240と異なるので、使用方法や好みで比較すると良いと思います。

LEICA M-D (Typ262)

LEICA M-D (Typ262)
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LEICA M-D (Typ262)の仕様(スペック)

マウント
Mマウント
撮影形式
デジタル
タイプ
M型ライカ
レンジファインダー
0.68倍
シャッター最高速
1/4000
シャッター最低速
60s
ISO
200〜6400
撮像素子
35mmフルサイズ 2400万画素 CMOSセンサー
露出モード
絞り優先AE、マニュアル
液晶モニター
なし
サイズ
139×80×42mm
重量
720g
製作年
2016-
カラー
ブラック
市場価格
約400,000-500,000円

LEICA M-D (Typ262)の特徴とおすすめ

M (Typ262)からなんと背面液晶を取り払うという思い切ったモデル。撮った画像を見ることができないためほぼフィルムカメラのような使い心地のデジカメです。撮影はRAWのみなので現像必須。

LEICA M-D (Typ262)PHOTO BY francois karm

一見制約の多い特殊なモデルのようで、実際は最も写真撮影に集中できるモデルでもあります。

ボディデザイン、描写ともに良いので、写真撮影に対して思い切った判断ができるのであればぜひおすすめしたいモデル。

LEICA M-D (Typ262)PHOTO BY Guido van Nispen

LEICA M Monochrom (Typ246)

LEICA M Monochrom (Typ246)
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LEICA M Monochrom (Typ246)の仕様(スペック)

マウント
Mマウント
撮影形式
デジタル
タイプ
M型ライカ
レンジファインダー
0.68倍
シャッター最高速
1/4000
シャッター最低速
60s
ISO
320〜25000
撮像素子
35mmフルサイズ 2400万画素 モノクローム専用CMOSセンサー
露出モード
絞り優先AE、マニュアル
液晶モニター
3.0型TFTカラー液晶モニター(約92万ドット)
サイズ
139×80×42mm
重量
680g
製作年
2015-
カラー
ブラック
市場価格
約400,000-500,000円

LEICA M Monochrom (Typ246)の特徴とおすすめ

ライカM-P (Typ240)ベースのモノクロ専用機。M9-Pベースのモノクロ専用機のバグや問題点を解消し、ライブビューやEVFでも撮影可能になりました。マックスISOは25000で暗所にもかなり強いです。

LEICA M Monochrom (Typ246)PHOTO BY Osamu Kaneko

モノクロ写真に本格的に打ち込みたいなら、うってつけのモデル。

LEICA M10

LEICA M10
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LEICA M10の仕様(スペック)

マウント
Mマウント
撮影形式
デジタル
タイプ
M型ライカ
レンジファインダー
0.73倍
シャッター最高速
1/4000
シャッター最低速
125s
ISO
100〜50000
撮像素子
35mmフルサイズ 2400万画素 CMOSセンサー
露出モード
絞り優先AE、マニュアル
液晶モニター
3.0型TFTカラー液晶モニター(約103万ドット)
サイズ
139×80×39mm
重量
660g
製作年
2017-
カラー
ブラック / シルバー
市場価格
約550,000-750,000円

LEICA M10の特徴とおすすめ

M10というナンバリングに相応しいアップデートを遂げたM型デジタル。デザインはスタイリッシュに、厚みはフィルム機と同等、絵作りもスタンダードで、人やレンズを選ばないライカとなっています。

LEICA M10PHOTO BY Alexandre Dulaunoy

ISOダイヤルが追加され、wifi経由でアプリ連動も可能。快適なM型デジタルのニュースタンダードという印象。悩んだらとりあえずこれ、という鉄板ライカになっています。M10-Pもあります。

LEICA M10

LEICA M10-D

LEICA M10-D
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LEICA M10-Dの仕様(スペック)

マウント
Mマウント
撮影形式
デジタル
タイプ
M型ライカ
レンジファインダー
0.73倍
シャッター最高速
1/4000
シャッター最低速
125s
ISO
100〜50000
撮像素子
35mmフルサイズ 2400万画素 CMOSセンサー
露出モード
絞り優先AE、マニュアル
液晶モニター
なし
サイズ
139×80×39mm
重量
660g
製作年
2018-
カラー
ブラック
市場価格
約750,000-850,000円

LEICA M10-Dの特徴とおすすめ

ライカM-Dに引き続き、ライカM10-Pベースで作られた背面液晶のないモデル。ただ今回大きく異なるのがEVFが使えること。これによってミラーレスカメラのようにも使えます。M-Dでは完全にフィルム的なアプローチだったが、M10-Dではフィルム+デジタルのハイブリッドなカメラに刷新されています。またアプリと連携することでカメラ設定を変えたり、アプリからシャッターを切るなど様々な工夫が可能。

LEICA M10-DPHOTO BY HM

必要なときにはデジタルの便利さを活かしつつ、通常はストイックに、フィルムのように撮影に集中する。そんなライカの良いところを詰め込んだカメラでもあります。

LEICA M10-D

LEICA M10 Monochrom

LEICA M10 Monochrom
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LEICA M10 Monochromの仕様(スペック)

マウント
Mマウント
撮影形式
デジタル
タイプ
M型ライカ
レンジファインダー
0.73倍
シャッター最高速
1/4000
シャッター最低速
125s
ISO
160-100000
撮像素子
35mmフルサイズ 4000万画素 モノクロ専用CMOSセンサー
露出モード
絞り優先AE、マニュアル
液晶モニター
3.0型TFTカラー液晶モニター(約103万ドット)
サイズ
139×80×39mm
重量
660g
製作年
2020-
カラー
ブラック
市場価格
約900,000-1,000,000円

LEICA M10 Monochromの特徴とおすすめ

ライカM10-Pベースのモノクロ専用機。画素数が大きく増え、4000万画素に。これでトリミングの自由度が格段に増え、柔軟な撮影方法が可能になりました。ファインダーはM Monochrom (Typ246)より視野倍率も増え見やすいです。最大ISOは100000。夜のスナップも捗ります。

LEICA M10 MonochromPHOTO BY

モノクロ主体で様々な撮影にのぞむなら、これとないスペックを搭載したカメラです。

LEICA M11

LEICA M11
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LEICA M11の仕様(スペック)

マウント
Mマウント
撮影形式
デジタル
タイプ
M型ライカ
レンジファインダー
0.73倍
シャッター最高速
1/4000(電子シャッター時:1/16000)
シャッター最低速
60m(電子シャッター時:60s)
ISO
64-50000
撮像素子
35mmフルサイズ 6300万画素 CMOSセンサー
露出モード
絞り優先AE、マニュアル
液晶モニター
2.95型TFTカラー液晶モニター(約233万ドット)
サイズ
139×80×38.5mm
重量
530g / 640g
製作年
2022-
カラー
ブラック / シルバー
市場価格
約1,200,000円

LEICA M11の特徴とおすすめ

ライカM10を機能面でアップグレードした印象のライカM11。ベースプレート廃止で使いやすさを重視し、USB type-cでの転送、バッテリーの拡充など細かなブラッシュアップが光ります。そしてさらなる軽量化もされています。

LEICA M11PHOTO BY Sergiy Galyonkin

描写はダイナミックレンジがアップ。画素数は6300万画素に大幅アップ。デジタルズーム機能も相まって、一本のレンズで複数の画角をカバーするような多様な撮り方が可能になりました。電子シャッター機能でノクチも日中開放で使えます。

撮影にライカ一台ではちょっと不安、といった懸念を解消したのがこのモデル。とにかく便利なライカならこのM11がおすすめです。

さいごに

たくさんのM型デジタルを紹介してきました。お好みのものは見つかりましたでしょうか?ライカ選びで重要なポイントとしては、ナンバリングが上だからといってすべてを兼ねるわけではないということです。M10を買ったあとにM8を買う人もいますし、複数所持してそれぞれの良さを把握して使い分ける人もいます。スペックだけで比較すると新しいものに目が行きがちですが、自分が求める本質がどのモデルに最も現れているのか、という点で比較するのが近道かなと思っています。

M型に関しては、「明らかにオススメできないもの」というのは存在しないので、どれを選んだとしても愛着のあるカメラになるはず。だからこそ悩ましいのですが、、この悩んでいる間も楽しいのでぜひいろいろチェックしてお気に入りの一台を見つけてみてください。

なおすべてのM型デジタルライカは紹介できなかったので、すべて見たい方はこちらから見ることができます。

X(@soyumn)やってます。
ライカで撮った写真やライカ関連ツイートを日々更新中。

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