ライカの135mmのレンズの比較とおすすめ

ライカの135mmのレンズの比較とおすすめ

ライカの135mmは「望遠はミラーレスのみで、ズーム+オートフォーカスで撮りたい」という人は少し目的が異なるかもしれません。ライカの単焦点望遠というのは、「見えたものから何でも撮っていく」スタイルではなく、「撮りたいものをある程度明確に絞った上で取捨選択していく」というイメージに近いかもしれません。使い慣れれば「ライカでどのように135mmを運用するべきか」より肌で分かるはず。

ここでは135mmのレンズを紹介しながらその特徴を抑えて、目的に沿った写真が撮れるようなレンズをおすすめしていきます。

ライカの135mmレンズは楽しい

Tele Elmar 135mm f4PHOTO BY HM

ライカの望遠を使ったことがある人も、使ったことがない人へも、135mmはとても面白い画角だということをまずお伝えしたいと思います。レンジファインダーでの使用では、ある程度制限の多い焦点距離であることは言うまでもないですが、広角や標準にはない視点の豊かさ、撮影の自由度があるのがこの135mmという画角です。

メリットは他にもたくさんあります。歪みのない被写体の切り取りに加え、前ボケを活かした表現、浅いピントによる主題の引き立て、映画のシーンのような被写体へのアップなど、エモーショナルに写真を見せたいのならやはり135mmです。

ライカの135mmのレンズの描写傾向

広角や標準レンズと異なり、望遠レンズというのはその性能が一見分かりにくいかもしれません。それは遠景で比較するからであって、距離感を意識して前景、中景、後景を上手く把握すれば傾向は理解しやすいです。M型ライカで使用するレンズはコンパクトであることが大前提なので、むやみに口径を大きくしたレンズが少ないことから、開放から非常によく解像するレンズばかりです。

まずは基本となるエルマー135mm F4を考えてみます。

Elmar 135mm f4

Elmar 135mm f4



個人的にライカ135mmレンズの中では最も良い意味で平凡、静謐な印象を持つレンズです。過度な描き方をせず、あくまで淡々と美しく描く、そんなイメージのレンズだと思います。画像が破綻するということがないので常に安定しており、そして撮影者の力量がダイレクトに反映されます。この安定感は何物にも変え難く、撮影の意気込みに対して真摯に応えてくれる素晴らしいレンズです。


Elmarit 135mm f2.8

Elmarit 135mm f2.8 3rd (第3世代)



ライカの中でエルマリート銘のレンズというのは、全体に共通した捉えどころが少なく、そのレンズ毎の個性に委ねられているようなところがあります。このレンズも135mmの中でも最も明るいf2.8を備えたメガネ型のちょっと特殊なレンズですが、安定したライカ品質の画像を出してきます。浅い焦点距離で遊びがいのあるレンズを探しているならこれで決まりです。


APO Telyt 135mm f3.4 ASPH.

APO Telyt 135mm f3.4 ASPH.



画質が写真全体を後押しする、というのは往々にしてよくあることで、このアポテリートは135mmの中で唯一そんな効能をもたらすレンズだと思います。やはりアポクロマート補正が効いているのか、遠景の何でもない風景写真でも凄みをもたらす力があります。これより開放値が明るければ妙に大ぶりのレンズになりますし、ピント合わせも疲れてしまう。取り回しで絶妙な塩梅を攻めたレンズであり、135mmでは完成仕切った感のあるレンズです。


Tele Elmar 135mm f4

Tele Elmar 135mm f4



人によってレンズの評価というのは様々ですが、アポテリートとエルマーの影に隠れた銘玉といえばこのテレエルマーです。描写としてはエルマーより若干モダンで抜けが良く、アポテリートとF値の若干の差はありつつも使い勝手はほぼ変わりません。そしてシャープネスではアポテリートとわずかの差がありますが、非常にしっかりした芯のある描写をします。色乗りも良い現代的なレンズですので使いやすさでは群を抜いていると言えます。


Hektor 135mm f4.5

Hektor 135mm f4.5



このヘクトールは一言で言うならば、個性的で面白みのあるレンズです。一見暗い開放F値ですが使ってみると現代のカメラではあまり気になりません。ボケも135mmという望遠では一般的なものに見えます。ではこのレンズの面白みは何なのかというと、光を取り込んだときの描き方です。常に100点ではないが、時折魅せる150点、200点の写真に魅せられてつい使ってしまう。そんなレンズでしょうか。エルマーが紳士だとするとヘクトールはミュージシャンのようなイメージを持っています。


ライカの135mmのレンズの使い勝手

これらの135mmレンズを使い勝手という面で比較すると、唯一特殊なメガネ型のエルマリートを除けばそう変わりません。ただ細かく見ていくと絞りの位置や回転角度など勝手の違いはもちろんあります。このあたりは個々の日頃慣れている操作に起因するところが多いと思います。長いレンズになるのでフードは組み込みタイプがやはり便利です。



ライカの135mmのレンズのデザイン

美的な要因を大きく考慮するライカユーザーであれば、鏡胴容積が大きい望遠レンズのデザインは気になるところです。すっきりと現代的な様相でまとめるならアポテリート、もしくは少しレアですがテレエルマーの後期バージョンがおすすめです。エルマーやヘクトールなどは今みると新鮮なデザインで、現代では作りえない古典的な魅力があります。

そもそも撮影に効率を重視すると135mm単焦点というのは稀有な存在。だからこそあえて不便で古典的なレンズのアナログ加減をゆっくりと楽しむ、というのもとても豊かな時間ではないでしょうか。

ライカの135mmのレンズの価格

最新のアポテリート以外はライカレンズの中でも最も安価な部類に落ち着いています。とりわけF値の暗いヘクトール、ライカ以外のカメラに装着しずらいエルマリートはコスパに優れます。広角、標準のレンズからライカに入り、ちょっと別の焦点距離も試してみたい、となったときに135mmのレンズは気軽に試せるので本当におすすめです。

また、それぞれ明確にテイストが異なるので、1本目に使い慣れたら別のレンズを、、、というのも良いでしょう。

ライカの135mmのレンズのおすすめポイント

いくつか象徴的なレンズを選び4つのポイントを5段階で表しました。(※個人の見解です)

レンズ/ポイント 描写 使い勝手 デザイン 価格 総数
Elmarit 135mm f2.8 4 3 3 4 14
APO Telyt 135mm f3.4 ASPH. 5 4 4 2 15
Tele Elmar 135mm f4 4 4 4 4 16
Elmar 135mm f4 4 3 3 5 15
Hektor 135mm f4.5 4 3 2 5 14

135mmという画角に何を期待するか、どのように運用するか、何を撮りたいか。様々な要因で評価は変わります。値段のネックを考慮しなければアポテリートは非常に優れたレンズですが、少ない予算で試験的に使ってみたい、もしくはサブの画角として抑えておきたいというくらいだったら、エルマーorヘクトール等はとても良い選択肢になります。

できれば状態の良いものを探して、本来の魅力のまま味わって欲しいレンズ達です。

ライカの135mmのレンズの総評

それぞれのレンズを端的にまとめてみます。

とにかく最高の135mmが欲しければアポテリート

モダンな写りでコスパ重視ならテレエルマー

端正で中庸、安定描写で被写体を選ばないならエルマー

叙情的な雰囲気、レンズの個性を求めるならヘクトール

ボケを活かした表現が主体になるならエルマリート

このような感じになりました。面白いのはそれぞれのレンズの役割がけっこう明確に分かれているところです。1本ですべてを兼ねることはできなくもないけれど、きっちり考えていけばいくほどそれぞれのレンズの使い所が明確にある。ライカはそこまで考えてレンズ展開をしているのだろうなと思うと感服します。

どれも本当に素晴らしいレンズです。好みでなんとなく選んでも失敗というのはないと思いますが、ライカの望遠の面白さはぼーっと撮るとよく分からなくなることもあり、主体的に、能動的に写真を撮ることを求められます。

まだ135mmに手を出したことがない人も、防湿庫の奥に鎮座させてしまっている人も、ぜひこの機会にライカの135mm使ってみませんか?

ライカ135mmのファインダー

13.5cm(135mm) の光学ファインダー、SHOOCがあります。

135mm ファインダー 12030(SHOOC)



ライカ135mmレンズの中古情報



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