ライカの使い方の実情【撮影方法】

ライカの使い方の実情【撮影方法】

みんながライカをどうやって使っているのか気になったことはないでしょうか?

プロも断片的に使い方を開示してくれるときはありますが、みなさん基本的には独自の方法で撮影していることが多いのかなと感じます。ここでは最近の個人的なライカの使い方や撮るときの感覚について語ってみようと思います。

被写体の注力に特化した撮影方法

ライカの使い方の実情【撮影方法】

最近撮影するときによく思うのが「面倒なことはなるべく避けたい」という気持ち。もちろんこれは写真に対して怠惰なわけではなく、「撮りたいもの」が先に大きくあって、それに最大限集中するためにカメラにさえあまりかまってられないなと思うところから来てます。

明確に撮りたいものを設定すればするほど、カメラを意識したくない。なんなら眼に写ったものをそのまま記録したい。でもそんなアンドロイドのような機能はまだないのでレンズを選びカメラを使う必要がある。

そんなときに以前はレンジファインダーが有効だと思っていたんですが、今は気分的にライブビューをよく使ってます。

メインをライブビューで撮る使い方

画像を瞬時に追い込みたい気分

35mmでもライブビュー。50mmでもライブビュー。広角や望遠だけではなく、標準でも使います。LVといっても背面液晶ではなくファインダーのほうですが。

「それじゃライカ使っている意味ないでしょ」みたいな反論が来そうですが、レンジファインダーだけでなくライブビューも使えるのがデジタルライカです。きちんとカメラの機能の範囲と、それで撮影する意味があるので使っています。というのは、「ダイレクトに出力された映像だけで判断したいから」です。そして構図もズバッと悩まず決め込みたい。それが今の気分。

撮影方法が変わってきた。待つスナップ

最近は待つスナップばかり撮ってます。面白いものを探したり、目まぐるしく歩いて珍しい瞬間を狙うのではなく、先に背景と構図を決めて、そこに来る人を撮る「待つスナップ」。

この場合かなり厳密に構図を作り込めるメリットがあります。一方レンジファインダーでは細かな制御がしにくく博打要素が多くなるため、ちゃんと考え抜いたものを写真に落とし込む別の作業が出てきます。ここをひとまず省きたいというのが今の気分なのかもしれません。

撮れ高がわかりやすいライブビュー

ライブビューの良さは撮れ高が分かりやすいところです。レンジファインダーだと精神で撮る、みたいなときがあります(私だけでしょうか、、?)気持ちを被写体に乗せて、写真にちゃんと写りますように、と祈りながら撮る。

脳内ではイメージとして素晴らしい写真が出来上がっているのだけど、まぁしかし実際にデータとして良い写真になっているのは2割くらい。後は何でこれ撮ったんだっけ、、みたいなことも多々あります。

しかしライブビューにはそれがない。シャッターを切った瞬間に良い写真になったかどうか、高確率で分かります。そういう意味では、ちゃんと撮れ高が出るまで撮る、という訓練にはライブビューが良いと思っています。

感覚を早く取り戻すためのライブビュー

ライカの使い方の実情【撮影方法】

最近自分の中でのモードがころころ変わる。

21mmだったかと思えば90mm、やっぱり35mmかな、というような感じで変化が激しいです。その度にその画角の眼を思い出すのはけっこう大変だったりします。

もちろんある程度、画角の眼は定着してるので、何枚か撮れば「あぁ、この感じこの感じ」と思い出す。それがライブビューだと早い。まぁそりゃそうですよね。

以前は修行僧のようにフォーカスの感覚とか、被写体までの距離を目測で撮れるように体に覚えさせたこともありました。でもそれが写真に良い作用をするときもあれば、そうでないときもあると思うようになったということです。

ライカシューター選手権に出るわけではないので、重要なのはあくまで写真のほう。そしてその写真を上手く撮るために一番重要なのは、事前に思考することだと思ってます。

知識×経験×思考。たまに深く考えずに反射で写真撮ってる人がいて、レンズ構成図やレンズのウンチクばかりたれている人がいます。正直こうなってはいけないな、と思ったりします。

わりとオートで撮るという実情

現像でカバーできないところ以外はオート設定で撮ってます。とにかく撮って残すことが大事だと思っているので。

「撮らねば」と思った瞬間から実際に撮るまでは短くできるなら短いほど良いです。そういう意味でライカが良いと思っていたけれど、まぁ平均的な速度でいうと最新のオートフォーカスのほうに軍配が上がるかもしれない。しかし、目の前に急に「やばい!」と思ったものが来て、即座にシャッターを切らなければいけないような状況ならやはりライカ。そういう意味で結局、小口径でレンズが小さく、パンフォーカスしやすい28mmが今はメインレンズになりつつあります。

先に基本プリセットを作り写真を確認する前に適応する方法

何年も同じレンズを使っているとだいたいのクセと傾向は分かってきます。

そしてレンズごとの個性を良い意味で平均化させたい、みたいなときがあります。これはどういうことかというと、いくつかのレンズで同じテーマで写真を撮ったとき、レンズの個性の違いでまったく別の作風に見えるのを避けたいということです。

そこでレンズ毎に基本のプリセットを作っておいて、写真を見る前にそれを一括でかけてしまう。すると自分の中で「中庸な眼」が出来上がります。作り込みはそこをスタート地点にして、そのときの理想に仕上げていきます。フィルムでは当たり前の「仕上がりを先に予想する」というのをデジタルでも行う必要性はよく感じています。

使い方の実情のまとめ

こんな感じで、個人的なライカの使い方の実情と使っている感覚を書いてみました。これもいま現在の所感であって、来年にはもう変わっているかもしれません。ポリシーはないのかよとか突っ込まれそうですが、重要なのは常に変わっていくこと、常に試行錯誤して自分の中に引き出しを多く作っていくことだとも思っています。

それこそ撮り方に正解なんてないのです。撮りたいカメラを選んで撮りたいものを好みの設定で撮るだけ。こうあらねばならない、なんて上から物言う人がいれば、それこそライカが望んでいない人間だろうとも思います。すべては自由。だからこそ難しいし悩みます。私は私なりに自由の束縛に取り組んでいくだけです。

みなさんはどう撮られていますか?一度こうやって言語化するのも楽しいのでぜひ試してみてください。

X(@soyumn)やってます。
ライカで撮った写真やライカ関連ツイートを日々更新中。

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