ライカで接写、近接撮影をする方法のまとめ

ライカで接写、近接撮影をする方法のまとめ

ライカのデメリットは最短撮影距離が比較的長く、寄って撮影できないこと。確かにそうなのだが、実は最短撮影距離より近づいて撮影する方法はけっこうたくさんある。せっかくなので思いつく限りまとめてみました。もしライカで接写も楽しみたいという人は参考にしてもらえれば。

クローズアップレンズをつけて接写する

ライカで接写する上で最も手軽で簡単な方法がレンズの先端にクローズアップレンズを追加する方法。ライカの純正としてクローズアップレンズ「Elpro52」が用意されており、以下のページで対応するレンズとその拡大倍率などが確認できます。

LEICA Elpro52

この「Elpro52」を携帯しておけば、接写したいときだけサッとつけて、終わったら取り外せば通常の撮影に戻ることができる。レンズを取り外す必要もないので手軽なのだが、ちょっとお値段が高いのが玉に傷。

https://at-leica.com/catalog/elpro52/

ちなみにバルナック時代からエルマーの先端につけるこういったクローズアップレンズ、フィルターのようなものはあって、ELPET等の名で流通しています。

OUFROを使って接写する

ライカで接写をするには、昔ライカが製造していたビゾフレックス用のエクステンションリング、コードネーム「OUFRO/16469」を使うという手もあります。繰り出しが1cm程度なので、最短撮影距離を少し縮めたいというときに便利です。だんだんこれも数が減ってきたのか少しずつ値上がり中。見つけたら早めに買っておくのが吉かもしれません。

エクステンションチューブを使って接写する

「OUFRO」も一応純正のエクステンションチューブでしたが、社外品でも両方Mマウントのリングを見つければ近接撮影が可能になります。繰り出し量が多ければ多いほど被写体により近づけるようになるのですが、その分被写界深度が非常に浅くなります。

KIPONから以前繰り出し量が異なる2タイプのエクステンションチューブが出ていましたが。

純正のマクロ・アダプターMはヘリコイド付きなので繰り出し量を調整できて良いものの、そもそものチューブが長いのでかなりマクロ寄りになります。本当に花の中心をどアップで写したいときなら良いですが、テーブルフォトなどには向きません。でもひとつあるといろいろ遊べて便利だったりします。

一部のレンズ専用アタッチメントを使って近接撮影

ライカも昔からこの寄れない仕様を何とかするためにいろんな工夫をしてきました。それが一部のレンズ専用のアタッチメントをつけることです。初代ズミクロン50mmで接写をする場合はSOMKYをつければ最短撮影距離が少し短くなります。

またエルマー50mm用としてNOOKY、ズミターやズマール、ヘクトール用のNOOKY-HESUMなどのアタッチメントも同様の働きをします。

どうしてもレンジファインダーでの近接撮影にこだわる方、ライブビューがないモデル等ではこういったものが良いでしょう。

おすすめの方法:ミラーレス+ヘリコイドリングを使って近接撮影

個人的には外で接写をしたいということはあまりなく、室内で物撮りのときに必要性を感じることが多いです。

よってどうしてもライカで近接撮影をしたいときは、ライカ以外のミラーレス機にヘリコイド付きマウントアダプターでつけて撮影をする、という方法を良くとっています。

これだと一度レンズを取り付けてしまえば通常の撮影から近接まで広くカバーしてくれるので、一番便利です。まぁライカボディではないのでどうしてもライカで接写したいんだよという人には向きませんが。

寄れる純正レンズで近接撮影

そんなこんなのライカの接写事情ですが、純正でも寄れるレンズが出てきました。

Apo Summicron35mmは最短30cm

最新のSummilux 35mm ASPH.は最短40cm

Summilux 35mm f1.4 ASPH.

これまでほとんどのライカレンズは寄れて0.7m、古いレンズだと1mが最短撮影距離でした。これをテクニカルに回避したのが上記の2つのレンズです。望遠だとそもそも寄ったような描写ができますので、35mmレンズで40cmほどまで寄れれば十分現実的です。

一本こういったレンズを持っていれば「今日はテーブルフォトも撮りそうだ」「表情のアップも撮りたいな」というときに日頃から心強い味方になってくれそうです。

ライカの寄れない距離を味わう

昔ライカを使い始めた当初はこの寄れない感覚に慣れず、つい近寄ってしまい距離計が合わない&撮れないことを悔やむということもありました。しかし長年使っていると、使うレンズの画角と距離感が体に染み付き、そもそも「近寄って何かを撮る」という眼にならなくなります。

本来M型ライカは万能なカメラではないので、「撮れるもの×撮りたいもの」に合致する被写体だけを自分のセンサーに引っ掛けるようになってきます。最近ではこの寄れない感覚がちょっと心地よいところさえあります。無駄に被写体に寄って表情を引き出そうとしなくて良いというか、程よく客観的に光景を判断していれば良いという安心感というか。

寄れないということが程よい制限になって撮りたいものがちゃんと見えてくる。ライカはそういうものだと諦めることも案外悪くないのかもしれません。

しかしどうしても寄りたい、そういう場合は近頃は高画素機ですから、広めに撮っておいて後でトリミングでも十分だと思います。また上記のようなアクセサリーを使うのも良いでしょう。しかしそれはライカ本来のクオリティではなくなってくるので、あくまで非常事態用。寄れない距離感とも上手く付き合えるようになると良いですね。

X(@soyumn)やってます。
ライカで撮った写真やライカ関連ツイートを日々更新中。

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