レンジファインダーのピントの合わせ方
ここではレンジファインダーという機構とその特徴について解説していきます。ライカ以外にも様々なレンジファインダーカメラが存在しますが、ここではライカに絞って説明をしていきます。
CONTENTS
レンジファインダーのピントの合わせ方の基本
レンジファインダーのピントの合わせ方は基本的にファインダー内の四角形の中に写った二重像のズレを調整することで行います。これを「二重像合致式」と呼びます。ピントリングを回しながらそれぞれの像の位置を確認して、きっちりとその像が重なるように合わせていくのですが、被写体や状況によってはこの調整が難しいことがあります(例えば明確な対象が見つけにくいパターンのような対象物や、対象物そのものが動いている場合など)。
二重像合致式
二重像を合わせるようにピントリングを回していく。
像がきっちり重なるとピントが合った状態になる。
上下像合致式で合わせる
一般的なレンジファインダーのピントの合わせ方は「二重像合致式」ですが、これは真ん中の明るい四角形の中の像だけで判断してズレを調整し合致させる方法です。この「二重像合致式」では像を合わせられる範囲が狭いため、場合によっては分かりにくく何度も調整を繰り返すこともあります。そこでまず行うと良いのが「上下像合致式」です。これは四角形の外側と内側のズレを調整することでピントを合わせる方法です。
赤枠の境界に注目して、ここが重なるようにピントを合わせる。
撮影対象の中に縦方向に伸びているものがあれば、そこに四角形を合わせてピントリングを調整すれば容易に一致させることができますのでとても便利です。
目測で合わせる
素早くピントを合わせるためのコツとしておすすめなのは、事前に「目測で合わせておく」ということです。
撮影対象を決めた後に、自分とそのピントを合わせたい箇所までのおおよその距離を掴んでおきます。これは何度か繰り返すことである程度感覚として分かってきます。そしてその距離に合わせてピントリングを先に回しておきます。これはレンズの目盛りを実際に見ながら行っても良いのですが、見ずに行えると更に良いでしょう。カメラと手の角度の関係で記憶したり、他にも例えば無限遠の位置からどれくらい回したかなどで記憶しておいて、撮ろうと思った瞬間にあらかじめ合わせておけるととても良いと思います。そしてその後実際にファインダーをのぞいて微調整するだけで、ピントは合わせられますので、この動作を覚えるとファインダーをのぞいてからシャッターを切るまでの時間はとても短くなります。
またこうすることによりファインダー内の像の動きに惑わされることなく素早くピントが合わせられます。
体とカメラを前後に動かして最終調整する
ファインダーをのぞきながらピントリングを回しすべて調整しても良いのですが、それでは両手を必ず使うことになります。ある程度目測でピントを合わせた後、体を前後に移動させることでピントを調整できるようになると更にピント合わせが早く、しかも簡単になります。また片手は使わずに済みますので、この空いた片手で被写体とコミュニケーションを取ったりするのも良いかと思います。
以上がレンジファインダーのピントの合わせ方の紹介となります。撮影する対象や撮影状況に応じて様々な方法を使い分けて、すばやくピントを合わせられるようにしましょう。シャッターチャンスを逃さないようにしつつ、構図への意識配分ができるようになると更に撮影の上達が見込めます。レンジファインダーのピントの合わせは練習あるのみです。
X(@soyumn)やってます。
ライカで撮った写真やライカ関連ツイートを日々更新中。
オススメ
おすすめ写真本
新着記事
-
ライカM10-Dを5年使ってみて【M11-Dへつなぐ】
Leica News
-
オールドレンズで撮っても意味がない?どこまでが写真なのか
Leica News
-
カメラとレンズを減らす方法【ダウンサイジング】
Leica News
-
ライカ写真の色を極める
Leica News
-
なぜライカを使い続けるのか【ボディ編】
Leica News
初めてのライカ
-
ライカ オールドレンズの神レンズ・銘玉を探る
Leica Feature
-
ライカのオールドレンズのクセ玉7選
Leica Feature
-
はじめてのオールドレンズ。基本からその魅力、おすすめまで紹介。
Leica Feature
-
ライカオールドレンズ一覧
Leica Feature
-
ライカの50mm オールドレンズの特徴とおすすめ
Leica Feature
ライカMマウントレンズ
-
APO Summicron 35mm f2.0 ASPH.
-
Elmar 24mm f3.8 ASPH.
-
Elmar 135mm f4
-
Ultron 28mm f2
-
Biogon 21mm f2.8
-
Summicron 35mm f2.0 3rd (第3世代・6枚玉)
良く読まれている記事
-
マウントアダプター簡単検索ツールを作りました
Leica Feature
-
次々と復刻していくライカの未来
Leica Feature
-
アトリエライカオリジナルの発行物ができました
Leica Feature
-
ライカ sofort2(ゾフォート2)がいい感じ。アナログとデジタルの融合へ【レビュー】
Leica Feature
-
ライカでミニマリストになれるか【GR的カメラについて】
Leica Feature
合わせて読みたい
LEICA SHOOTINGライカで撮影
ライカ初心者向けカメラ講座
ライカの撮影方法(理論編)
【窓か鏡か】ライカの写真は鏡であれ
ライカの写真は生のままが良いのか問題【撮って出し写真と現像】
ライカと周辺減光
ライカで何を撮るべきか
ライカはモテるのか、モテないのか
写真はフィルムかデジタルか。未来の「写真」に向けて
ライカで写真を撮る理由
レンジファインダーの仕組みと撮影