高いレンズと安いレンズの違い

高いレンズと安いレンズの違い

高いレンズって結局何がいいの?安いレンズと実はそんなに変わらないんじゃないの?こういった疑問に答えようと思います。高いレンズと安いレンズそれぞれの明確な違いを上げつつ、各々を選ぶシーンやメリットについても解説していきます。

高いレンズと安いレンズの違い

結論からいうと、高いレンズには高い理由がきちんとあり、また高いレンズを選ぶメリットもちゃんと存在します。そしてこれは安いレンズに関しても同様で、目的や使い方によっては安いレンズを選んだほうが良いこともあります。

では細かく見ていきます。

※高いレンズと安いレンズといってもいろいろあるので、比較対象は同じメーカー、かつ同じ画角の単焦点レンズという想定にします。価格の違う両者の相違点を様々な角度から上げていきます。

高いレンズと安いレンズはスペックが違う

高いレンズと安いレンズの違い

最も明確な違いはレンズそのもののスペックです。

高いレンズと安いレンズはF値が違う

レンズの価格を大きく左右するのがF値です。明るければ明るいほどレンズに使われるガラスは増え、収差を抑えるための設計も複雑になっていきます。また明るいレンズはそれぞれメーカーの力量を見せるメインレンズにもなるため、価格は自ずと高くなります。

高いレンズと安いレンズは素材が違う

高いレンズはわざわざ金属を削り出してレンズ鏡胴を作っていることが多いです。金属は精度の高い設計が可能で、素材としての高級感に加え、高い堅牢性と正確性を発揮します。一方安いレンズの場合はプラスチックの大量生産品であることが多いです。またガラスの種類によっても価格は大きく変わってきます。

その他作りが違う

その他にもレンズそのもののコーティングや、レンズの収まりの設計、レンズ鏡胴の仕上げ、内面反射対策、フードの材質、フードの反射の設計、などなど、高いレンズはこれら細かな部分にも徹底してこだわって作っています。ライカではこういったところが非常に丁寧に作られており、高い理由がきちんとあるのです。

高いレンズと安いレンズは解像力が違う

高いレンズと安いレンズの違い

では高いレンズと安いレンズで描写の解像力はどれだけ違うのでしょうか。レンズを評価するときによくあげられるポイントとして以下があります。

  • シャープかどうか
  • ボケがなめらかかどうか
  • 周辺まで解像するか
  • 周辺光量落ちはどうか

最新のレンズではこれらのポイントはどれもそれなりに優れているので実は判断が難しいです。細かに比較していけば違いも見つけられますが、そもそも一般的な使い方で比較するような状況にならないこともしばしば。

逆にオールドレンズが人気の昨今、これらが仮に劣っていたとしてもそれは魅力にも繋がります。つまり解像力というのはかなり抽象的な側面を含んでおり、客観的に判断し優劣をつけるのは難しいのです。それでも拡大して見てみたらどちらのほうがシャープである、みたいなことは言うことはできます。しかしこれらも写真という大きな枠組みで捉えたとき単に好みの範疇かもしれません。

ただ最近の高性能なレンズの場合、感覚的に「よく写っているな」とわかることが多いことも事実です。最終的には写っているものをどう感じ取るかの判断になるので、率直によく写っているなと感じるものを良しとするのが吉かと思います。

高いレンズと安いレンズはコンセプトが違う

レンズの中にはあえて古い簡素な設計をすることで、独特の雰囲気を狙って作られている場合があります。こういった場合、安い=性能が悪いわけではないです。あくまでレンズの目指す方向性やコンセプトが異なるだけだったりします。

高いレンズと安いレンズは希少価値が違う

高いレンズと安いレンズの違い

オールドレンズに関しては単に生産数が少ない、流通が少ない等の理由で高価格になっているレンズがあります。この場合、価格が高い=高性能というわけではないので注意しましょう。

ライカのレンズプライスについて

ライカの場合、明確に公開されているわけではありませんが、レンズの材質やF値の違い、設計の複雑さで値段の上下が決まっているように思えます。なのでもし新製品に2倍の価格差があったとしてもそれは上記の違いであって、解像力や性能が2倍異なるわけではありません。描写と価格が分かりやすく相関しないのもライカの特徴です。

高いレンズと安いレンズの使い分け

では高いレンズと安いレンズはどう買って使い分けるのが良いのか。

一言に描写能力の高さが売りの高いレンズであれば、作品作りや解像力がものをいう写真を撮りたいときに有効です。あとは高級感によって撮影体験を高めたい場合、やはり高いレンズは気分が上がります。

一方安いレンズにもメリットがあります。もちろん手に入れやすいこともそうですが、価格の面からラフに扱いやすいので、攻めた写真を撮りたい場合や、とにかく枚数を撮ってその画角に慣れたい場合など有効です。もしコンパクトなレンズであれば、使いやすさも利点に繋がりますね。

またレンズの特徴を把握することで、特徴ごとに買い揃えて使い分けできるというメリットも安いレンズにはあります。

高いレンズと安いレンズどっちを買うべき?

高いレンズのメリット・デメリット

最終的にレンズをどう運用したいかによるのですが、機材に妥協したくないのなら初めから高いレンズを候補に考えるのをおすすめします。なぜなら安いレンズを買ってその時は満足しても、もっと良いレンズを買えばもっと良い写真が撮れるんじゃないか?とそのうち考えるようになるからです。そして何度も買っては売りを繰り返し、機材のことで悩んでばかりいるのであれば、最初から高いレンズを買った方がコストも時間も節約できます。

逆に撮りたいものが明確で、高いレンズを買ったところで持て余してしまうことが分かっている、もしくは高いレンズに性能差が見いだせないなら買う必要はありません。自分に必要十分なレンズを買いましょう。

レンズをどう捉えるかが重要

個人的な意見としては、カメラやレンズは道具だと思っています。作品を作るときに道具は便利なほうが良いです。道具の良し悪しによって作品の完成度も変わると思います。ただ、明らかにその道具で作ったと分かる作品は広がりがないし、道具そのものを揃えるのが目的でもありません。ここを常に把握しておけば何を買うべきなのか、指針が見つかるのではないかと思います。

高いレンズを安いボディにつけるのはどうか?

これは実は結構効果があります。最終的な写真の質はレンズ×カメラの性能ですが、大きく変化が出やすいのがカメラよりもレンズのほうです。カメラそのものを変えなくても高い描写が欲しければ高いレンズを検討しても良いと私は思います。

高いレンズと安いレンズの違いまとめ

以上、高いレンズと安いレンズの違いについてあれこれ分類して考えてみました。

最も簡単に違いを知りたいのなら、まず何はともあれ高いレンズを一度使ってみることだと思います。特にライカの現代のレンズは持った時の質感やその作り込みの精度、トルクの滑らかさなど一級品であることが使用するとすぐに分かります。

写真に限らず何事も、まずは最上級のものを体感すること。これはけっこう重要です。なぜならそうすることで世界の広がりを感じられて一望でき、今の自分の立ち位置や自分が目指すものも具体的になってくるからです。

なぜレンズにこんなにも値段の違いがあるか疑問だった人は解決できたでしょうか。ぜひ次回レンズを検討する際はこれを参考によく見てみてください。

X(@soyumn)やってます。
ライカで撮った写真やライカ関連ツイートを日々更新中。

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