スナップ写真の本当の面白さはこれだ【スナップの魅力に迫る】
スナップにハマっている。あえてハマっていると書いたがスナップは撮り始めて何十年も経っているし、カメラを持っているときは途切れず常に撮ってきた。
それでも未だに「スナップは面白い」と感じる瞬間があって、今もわくわくしている。
それはなぜだろうと思い、できるだけ言語化したくなった。スナップ写真が面白いポイントを噛み砕いてあげてみようと思う。
CONTENTS
スナップ写真とは
そもそもスナップは普通の写真と何が違うのだろうか。一般的なスナップ写真の定義としては「被写体を自然な状態で早撮りしたもの」とされている。
つまりスナップ的な写真というのは
- 被写体が写真のために作られていないこと
- じっくりと追い込んだ写真でないこと
と言っても良いだろう。
つまり状態が常に変わらないもの(建物やオブジェなど)を撮っても厳密な意味ではスナップではないだろうし、写真のために被写体を意図的に配したり構成したものはスナップではないと言っていい。
しかしまぁ大きな意味で、気楽に撮った写真=スナップ写真と捉えることもできる。ここでは「スナップ」を一旦それくらいのものとしておく。
スナップ写真の本当の面白さ
スナップ写真の本当の面白さは、大まかに2つある。それは「先が予想できず、予期せぬ事が起きること」と「無心になれること」だと思う。それぞれ詳しくみていこう。
スナップ写真は予想ができないのが面白い
スナップの面白さは撮りながらにアイデアが生まれ、更に良いものへとリアルタイムで発展していくことだ。
リズム良く撮っていくことで、「こう撮ったらどうだろう」「あっちへ行くと何かに出会いそうな気がする」などと、写真への嗅覚が研ぎ澄まされていく。そしてその通りに行動すると予想もしないことが起きたりして、撮影を始める前には考えもしなかった写真が撮れたりする。これは普段制御している自分を開放させて、軽く暴走させるイメージだ。
スナップ写真は無心になれる
良いスナップを撮ろうとしているとき、外の世界へのアンテナは常に全開だ。だから意識は内から外へ注がれ、自分と外の世界の対話のみに限られる。
これがいい。日頃の悩みやタスクなどから開放され、ただただそこにあるものと対峙する。忙しい時代に「無心でいられること」の重要性はみな嫌でも説かれていると思う。カメラひとつ持って外に飛び出せば無心でいられるのだ。これは何気に素晴らしいことじゃないだろうか。
スナップ写真に求められるもの
ではスナップに求められるものとは何だろう。それは対応力ではないかと考えている。
あらかじめ決められた写真はつまらない。自分の脳内でシミュレーションできることなんてたかがしれている。どれだけ想像しても、しきれずにイレギュラーなことは起こるものだ。
そこにどう対処するか、がスナップでは最も面白いのだ。スナップ写真にはアドリブ力、つまり問題解決の力やその場の対応力が必要なのだ。
スナップ写真の魅力
スナップの場合、常に環境に試されている感覚になる。だから獣を追うような鋭い目つきで、嗅覚を研ぎ澄まして辺りを嗅ぎ回る。そんな自分自身の中での悪戦苦闘がスナップの魅力だ。
ある推理小説家は小説を書く前に犯人を決めていないのだという。犯人を決めて書き出すと読んでいる人にも伝わってしまうから、らしい。書いている本人さえ分からないというのは読者にとっても魅力的だ。写真にも同じことがいえるのかもしれない。何が撮れるのかまったくわからないが、良いものが撮れるように工夫して探し回る。これがスナップの魅力ではないだろうか。
スナップ写真の醍醐味
スナップというのは自分の思い通りの世界を作り上げることではなく、今、世界中に起こっている出来事から自分好みのものを拾い上げる行為に近い。
だからこの「今」でさえ、どこかでユニークな出来事が起こっていて、もし自分がそこにいるのであれば必ずシャッターを切っているような出来事が起こっていると思うと、いてもたってもいられない。ワクワクしてしょうがないのだ。時間さえあればカメラを持ってその瞬間に立ち会いたいと思う。この湧き上がる躍動感こそがスナップの醍醐味である。
ライカはやはりスナップに向いている
そしてこの楽しいスナップを最高にアシストしてくれるのがライカだ。スナップするフィールドをゾーンで認識し、ピントを予め置いておき、いつでもシャッターを切れるという安心感。自分が思う最高のレンズに最高のルックスで、無心に駆け回る。こんな楽しい遊びをありがとうライカ。
さいごに
スナップは面白い。そして楽しい。この楽しさを知ったなら世界は常に開かれていると思っていい。
なんてことのない近所でも、朝、昼、夜で景色は変る。季節で空気や植栽、影も変わる。それが街、都市と無限に広がっている。ここから何を抜き出して撮るのか、すべて自由だ。
そしてもちろんスナップは屋外だけではない。家族でも職場でも、撮りたいと思った瞬間に「どう撮るか?」の可能性が生まれるのだ。プロもアマチュアも関係ない。ただそれらを楽しめるものだけに、いつか奇跡的な1枚の写真が降ってくるのだと信じたい。
X(@soyumn)やってます。
ライカで撮った写真やライカ関連ツイートを日々更新中。
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