ライカの寿命、ライカM11とその悩み
ライカは一生ものだ。少なくともそう思って買う人は多いと思う。じゃあ一生ライカのカメラは保つのか。
ライカM11とライカの寿命について考えてみたい。
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写真からドラマを生み出すにはどう撮るのか?
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Cameraholics vol.2 ライカへの偏愛。
CONTENTS
M型ライカの資産性と寿命、価格
Leica M10 Summicron 50mm f2
デジタルカメラは資産にならないと昔からよく言われていた。しかしライカのデジタルに関してはどうだろう。M8から始まったライカのデジタルはM9でより市民権を得たと思う。M240で更に進化してより使いやすくなった。そしてM10ではライカのマイルストーン的なモデルを示した気がしている。
M8も中古であまり見かけなくなったが中古価格は安定している。M9に関してはやはりセンサーを修理できていない個体が多く、交換済みのセンサーを持つM9は高騰してしまった。M9が普通に中古で売っていた時代からすると1.5倍ほどの値がついている。M240も絵作りに人気があって値下がりはしていない。M240でしか撮れない絵というのがある。これはM8も同じかもしれない。
ライカの需要とM11の寿命
結局ライカM型に関しては他国の需要もあるのか、デジタルといえど値段は下がっておらず、モデルによっては高くなっているものもあるというのが現状。
じゃあ一度買えばずっと使えて、売れるときも高い値段で売れるなら良い事づくしかといえばそんなことはない。
ライカは日本製のカメラと比較して使うとよく分かるのだが、突然壊れる。そしてそれは一度や二度ではない。何度もユーザー都合で壊れたということにされてライカの修理で何十万も支払いをして泣きを見ている人をよくみかける。
ライカは頑丈で壊れにくい、そう言われたのはフィルムの時代。フィルムライカを20年使っている人はざらにいると思うが、デジタルの場合は20年は厳しい。M8が出たのは2006年だったか。M11はいつまでサポートされていつまでもつのだろうか。
カメラとして機能する期限について
ライカも基本は他の電化製品と同じなので10年程度が限界なのかもしれないと思う。M9の場合はセンサーカバーガラスの問題だったけれど、結局センサー自体も次々と新しくなっていくわけで、古いものを作り続ける意味はないし、メーカーが保有している部品の在庫もそのうち尽きてしまう。
そして何より環境も変わる。今ではPCやスマホで見る液晶画面や、データとしてのraw/jpgが一般的だが、そのうちまったく新しいデータ形式が開発されて普及し、3Dで見るのが普通になったりするかもしれない。そうなったらどれだけ素晴らしい絵が撮れても古典的なファイル形式でしか記録できないカメラは用無しになる。
家電にもいろいろある。洗濯機はとにかく洗えれば良いし、電子レンジは温まれば使える。掃除機もとにかくゴミを吸ってくれれば良い。しかしデジタルカメラはちょっと違う。撮った写真を整え管理して見る環境が常に変わっていくのだ。
スマホのアプリやソフトもそうだ。機能はそのままで良いのにOSがどんどん上がっていく過程で対応をやめ使えなくなる。面白いオンラインゲームも運営が辞めると宣言した途端に宇宙の藻屑となる。
ライカM11の価値とその寿命
Leica M10 Summaron 28mm f5.6
常に「今」と繋がらないと何もできなくなるのがデジタルの儚さなのだ。しかしライカはそんな儚いものとしては破格の値段がする。これは果たして正解なのか、常に疑問がつきまとう。
M11になってデジタルとのアプローチがより密接になった。これからもこの傾向は加速するだろう。しかしそうなればなるほど環境要因が高まる。じゃあ常にお金をかけて維持するのが写真との向き合い方の正解なのだろうか。M11-Pを見てまた物欲が刺激されるだろう。新しい写真の可能性を得るために大枚はたいてライカを買うか悩むはず。カメラと経験とお金の関係が、悩ましい。
じゃあこれまでライカを通して得た経験はいくらなのか?元は取れたのか。私はいつもこう答える。ライカを使わない写真ライフはもう考えられないし、唯一無二の経験をたくさんしてきた。それは100万、200万では買えない貴重な経験の連続だった、と。
ライカである意味
このライカ特有の経験は、ライカのカメラ×ライカのレンズを通して得たものだと思っている。ライカの魅力はそう、レンズにある。
しかしこの魅力あるレンズをレンジファインダーで使うことにこそ私は価値を見出している。ここは人それぞれだと思うので、ライカのレンズが使えればボディは何でも良いという人がいても良いと思う。しかしレンジファインダーの世界との対峙方法が写真の本質を捉えるのに最も向いていると思うし、楽しいのだ。
だから使いやすくてシンプルなデザインで、堅牢で壊れないレンジファインダーをどこかが安く作ってくれないかといつも思う。そう、まさにライカが時々出す廉価版のようなミニマルな機能のカメラだ。M-Eのようなモデルは現れては消えていく。あれを常にひとつ、ほどほどの解像度のもので良いからラインナップに置いておいて欲しい。外装パーツは常に固定で、中身だけ少しずつブラッシュアップしてね。
M262もコンセプトとして、とても良かったと思う。
ライカさん、お願いします。本当に新規のライカユーザーを増やすならそういうモデルがあっても良いと思うし、道具として定番で使えるモデルとしても良いと思うんだけどなぁ。
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