絞りについて
PHOTO BY Roman Boed
ここではカメラの基本である「絞り」について解説をしていきます。
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絞りとは
絞りとはレンズを通る光の量を調整する仕組みのことです。実際に絞りを動かせばレンズ内にある絞り羽根が動くのを確認できると思います。絞り値、またはF値と呼ばれるものはこの光の通る面積を数値で表したものです。F値が小さい=絞りを開けば開くほど光はたくさんレンズの中に入ります。逆にF値が大きい=絞りを絞れば絞るほど光は少なくなります。ここではこの絞りをどのように撮影に活かすのが良いのかを解説していきます。
絞りを開く場合(F0.95〜F3.4など)
開放(めいいっぱい絞りを開いた状態)や開放に近い形で絞りを開くと光がたくさん入ります。そうすると明るい写真が撮りやすいのはもちろんのこと、被写界深度(ピントが合う範囲)が浅くなるため、撮影対象の周囲がボケやすい写真となります。ピントの合っている部分とボケている部分のメリハリがつくと撮影対象が浮き上がったように見えます。ドラマティックに見せたい場合や、撮影対象を目立たせたい場合はF値を小さく=絞りを開くのが良いでしょう。
この絞りを開いた状態というのはレンズの設計上、少し描写が甘くなります。いわゆる収差というものが出やすい状態なのですが、ライカの場合これをレンズの個性として楽しむ傾向もあります。ライカのレンズはボケの表現が美しいこともあり、これを積極的に写真に活かすことでより魅力的な写真になることも多いようです。
絞りが中程度の場合(F4.0〜F7.0など)
入ってくる光の量はほどほどとなります。これくらいのF値となると絞りを大きく開いたときのような描写の甘さは姿を潜め、レンズの性能を十分に発揮した描写となります。また被写界深度もそれなりにありますので、ある程度奥行きのあるものをしっかり写したいときに最適です。また自然なボケが得られますので目で見た雰囲気に近い写真になることが多いと思われます。
絞りを絞る場合(F8.0〜F11など)
このあたりになると入ってくる光の量は減り、被写界深度も深くなります。つまり写真のすべての箇所にピントが合うようになってきます。これをパンフォーカスと言います。風景写真など全体をしっかり見せたい場合は絞りを絞って撮影しましょう。またパンフォーカスは広角レンズのほうがなりやすく、ピントのピークは撮影したい主題に合わせると良いでしょう。
ライカでの撮影方法
ライカで素早くスナップ撮影する場合、細かくピントを合わせる時間がどうしてもとれないことがあります。そのようなときに絞りをF8.0固定にしてある程度パンフォーカスにしてしまうと、ピント合わせに気を取られることなく写真に集中できるのでおすすめです。
さいごに
写真には撮影した人の意図が写ります。絞りもその意図が反映される大きな要素のひとつです。どのように写真を撮影したいか、また対象をどのように写したいかをしっかり考えた上で絞りを調節できるようになると、一歩先の写真へいけるのではないかと思います。
オススメ
ライカMマウントレンズ
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Color-Skopar 50mm f2.5
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Hektor 50mm f2.5
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Super Elmar 18mm f3.8 ASPH.
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Biogon 25mm f2.8
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Nokton Classic 40mm f1.4
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Xenon 50mm f1.5
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