ライカとは?ライカの歴史
この世にカメラという名前のつくものは数え切れないほどありますが、その中でもライカ(Leica)という名は誰しも一度は耳にしたことがあると思います。ライカはカメラの中でも特別なカメラであり、カメラの頂点に立つ世界最高のカメラとまで言われています。ライカとは何なのか?ライカの輝かしい歴史をたどりながらライカがこのようなカメラとなった経緯を追います。
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Cameraholics vol.1 なぜライカなのか?
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Pen+ ライカで撮る理由。
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Cameraholics vol.3 鮮やかなモノクローム。
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Cameraholics vol.5 ライカの噂、真相に迫る。
CONTENTS
ライカとはもともとライツ社
ライカとはもともとライカというカメラメーカーではありませんでした。ドイツのフランクフルトにある小さな街ウェッツラーで、光学機器(顕微鏡など)を開発していたライツ社が始まりです。
ライツ社は1849年、エルンスト・ライツ一世(Ernst Leitz I)が創業し、その後エルンスト・ライツII世の時代に技術者であるオスカー・バルナックがライツ社に入社することでカメラメーカーとしての歩みを始めます。オスカー・バルナックという人は体が弱く、それが理由がカール・ツァイス財団を辞めてライツ社に来ることとなりましたが、当時カメラというのはとても大きく(三脚がないと撮影できない)、もっと小型の自分に合ったカメラを開発したいと思っていたようです。その後オスカー・バルナックは映画用フィルムを使って24×36mmフィルムサイズの小型カメラの試作機を作ります。これらは「ウル・ライカ」と呼ばれ、その後のライカカメラの基本形となります。大型だったカメラは小型になったことで、どこでも持ち運べるライツ社のカメラは画期的であり、とても話題になって世界中に広がりました。
光学機器メーカーだったライツ社がオスカー・バルナックによってライツのカメラを生み出す。
ライカとは35mmフィルムをつくったメーカー
現在主流のカメラは35mmフィルムサイズが基本となっています。この35mmフィルムというのは先述したオスカー・バルナックが考案したものが元になっています。
今でもこの規格が一般的となっているということは、当時ライツ社とオスカー・バルナックが作ったものは質が高く画期的で先見の明があったと伺えます。ライカがカメラを生み出さなければ今の写真の世界はまた違ったものになっていたかもしれない、そう振り返る人が今でも少なからずいるほど、ライカというのは歴史的に重要なカメラを生み出し、カメラの普及に大きく貢献しました。
ちなみにライカ(Leica)という名はライツ社のカメラ、つまりLeitz + Camera = Leicaから来ています。後に会社の名前もライカカメラへと統一されました。
Leitz + Camera = Leica
ライカとは世界でもっとも有名なカメラブランド
ライツ社はカメラブランド「ライカ(Leica)」として様々な機種を発売していきました。まだレンズがカメラ本体に固定されていたライカⅠA、ライカⅠB、その後に連動距離計を搭載しレンズ交換式となったライカⅡ型、そしてスローシャッターを備えたライカⅢ型。ライカは徐々に高級35mmカメラとして不動の地位を確立していきます。世界のカメラ市場はライカを中心に動き、ライカを目標として世界中で様々なカメラが開発されます。
当時ライカを忠実に模したコピーカメラやあからさまにライカに影響を受けたカメラもたくさん販売されました。今でも入手できるものがあるので違いを調べて見るのも面白いかもしれません。
M型ライカの誕生。ライカとは=M型ライカ
1954年にはライカの新しいモデル「ライカM3」が発表されます。これはいわゆるM型ライカといわれるもので、今のライカにおいても中心的存在となっているレンジファインダーカメラです。
レンジファインダーカメラ
ライカカメラの大きな特徴でもあるカメラの仕組み。ファインダーに映る二重像を合わせることで焦点が合う。レンジファインダーとは距離計のことであり、ドイツ語でmesssucher(メスハー)ということからM型となっている。
このライカM3は完成度がとても高く、当時カメラ界に衝撃をもたらしました。そして今でもライカのフィルム機では現行で使える名機として定番のモデルとなっているほどです。ライカM3は文句の付け所のないほど高性能で質が高く、またそのカメラ本体の仕上げも工芸品や美術品のように精密で、ライカの技術を余すことなく投入されたカメラになっています。
しかしこのライカM3があまりにも良く出来ていたためか、ライカはレンジファインダー以外のカメラをしばらく作りませんでした。しかし世の中のカメラの中心は徐々に一眼レフへ。その後日本のカメラメーカーが様々な一眼レフを発表し、浸透していった後に遅れてライカは一眼レフに参入し「ライカR」などを発表します。しかしこのライカRは大きく広まらず、一時期ライカ社自体も国内の人件費高騰などで経営危機に陥っていたようです。
一方ライカM3を開発した後、ライカは次々とレンジファインダーの後継機を発表していきます。ライカM3の廉価版であるライカM2、ライカM1(M3のあとに数字の低いモデルが発表されていきました)、そしてライカM4。ライカM4は大きく人気となりいくつもの限定モデルが生産されました。そしてライカM5、ライカM6と発表され、ライカM6も現代においても使用される人気のモデルとなっています。
その後ライカはM7で電子シャッターを採用し、ライカM8でM型としては初めてのデジタルカメラを作りました。「ライカといえばレンジファインダーでM型」というイメージは更に認知され、また現在ではレンジファインダー以外のデジタルカメラも数多く手がけ、常に先進的な分野で新たなユーザーを獲得しています。
ライカとはカメラの歴史そのもの
このようにライカは新しいカメラを生み出し続け、カメラの新しい定番を次々と作ってきました。ライカがあったから今のカメラがあり、今の写真があるといっても過言ではないほど、写真という文化と切っても切れない関係性のあるメーカーです。
カメラはその仕組みによって分類されますが、人によってその良さは変わってきます。一眼レフには一眼レフの良さがあり、またレンジファインダーにもそれ固有の良さがあります。
そして現在もライカは新しいカメラを作り続けていますが、その精神はオスカー・バルナックの頃から変わっていないように思えます。ただ「写真を撮ること」において重要なことは何なのか?常にその疑問と向き合いながら写真という文化を作り、また支えているのがライカであると思います。
参考:ライカの歴史100年
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