縦構図と横構図、写真の縦横の特徴とメリット

縦構図と横構図、写真の縦横の特徴とメリット

一般的に撮りたいものが収まるかどうかで判断してしまいがちな写真の縦横。この縦写真と横写真というのは人間という生き物の作りと、写真の構図の仕組みに大きく関わっています。写真の基本のようで実はあまり深く意識されない縦写真と横写真について考えてみます。

縦構図の特徴とメリット

まずは縦構図の特徴を簡潔にまとめました。

  • 情報を限定できる
  • 主題が強調される
  • 主観的になる
  • 非日常的になる
  • 見るときに視線が上下する
  • 奥行きとダイナミズムが生まれる
  • 表現の種類が広がる

詳しく解説していきます。

縦で写真を撮るということは横幅が狭まります。つまり見ている視野より狭い幅の出来事について写真を撮るということです。

縦構図と横構図、写真の縦横の特徴とメリット

これは自分の周りに起こっている出来事そのものではなく、自分自身が見ているもの、注目しているものを写し込むということになります。注目しているものだけに限定することになりますので情報量としては減り、何を見せたいのか=主題が明確になりやすい側面があります。

縦構図と横構図、写真の縦横の特徴とメリット

また縦のエリアというのは人が一般的に意識しにくい空間です。例えば店舗の1Fの外観は覚えているけど2Fの外観は気にしたことがない、という人も多いです。それくらい人は自分の目線の高さの情報を中心に捉えているので、縦構図は「意識しないものを十分に取り入れる」非日常性のある写真になります。また横に比べるとダイナミックな動きを出しやすく、表現方法も多彩になります。これらは広角になればなるほど顕著になります。

縦構図と横構図、写真の縦横の特徴とメリット



横構図の特徴とメリット

次に横写真で撮るときです。

横構図の特徴としては

  • 情報が多くなる
  • 主題が複合的になる
  • 日常的になる
  • 客観的になる
  • 見る視線が目の普遍的な移動になる
  • 平面性が強調される
  • 表現に広がりが生まれる

詳しく解説していきます。

横写真は一般的なカメラにおいて2:3もしくは3:4の縦横比で長い方に重きを置く水平構図になります。人間の視界と同じ関係になりますので、見た光景をそのまま違和感ないよう写真に落とし込みたい場合は横構図となります。

縦構図と横構図、写真の縦横の特徴とメリット人の視点に近い日常性のある写真。

ただし望遠を除いて、誰が見ても同じ光景をそのまま写真に写すことになりますのでどこか客観的で傍観した写真に近くなります。また、縦構図よりかは情報は多くなりがちなので主題+アルファの要素が多くなります。

縦構図と横構図、写真の縦横の特徴とメリット主題が複数ある写真。それぞれの関係性が問われる。

そして画面に写るものを限定的にしない限り、写る要素は複合的になり平面的になっていきます。逆にこの平面性を活かして広がりのある写真を撮りやすいというメリットもあります。

縦構図と横構図、写真の縦横の特徴とメリット情報が多く平面的になりどこを見てよいのかわからなくなる。

縦構図と横構図、写真の縦横の特徴とメリット構造にフォーカスし広がりを演出する。

縦写真と横写真の使い分け

縦写真と横写真の使い分けで重要なキーポイントは「空間移動」と「日常性」です。
自身に現前するものをどう見せるか工夫するために、その被写体が持つ「空間」を強調して切り取る必要があります。

写真内の空間移動について

縦写真では縦方向に空間が連続するので、例えばストリートスナップの場合、地面からメインの被写体、建物、そして空と場面が次々連続して展開していきます。ここにダイナミズムが生まれます。

縦構図と横構図、写真の縦横の特徴とメリット縦長だからこそ出るダイナミズム。



縦構図と横構図、写真の縦横の特徴とメリット縦構図を活かすことで躍動感ある一枚に。



横写真の場合、人が通常移動する方向や目の動きやすい方向と同じなので、点在するものや等価に連続するものを写し出すのに向いています。例えばオープンカフェでいくつも机と椅子が並んでいたとして、そのリズミカルな配置と広がりは横写真で収めると伝わりやすいでしょう。

縦構図と横構図、写真の縦横の特徴とメリットガラス窓に独特のリズムがあり見ていて気持ちが良い。



写真の日常性について

日常性という点では、縦構図は非日常性を帯びやすく、横構図は日常性を帯びやすい性質があります。これは人の視界が横長であることと、重力の関係で物質が一般的に横方向に連続していることが多いことから横=日常と捉えやすいためです。

また、縦写真は撮影者の意思によってその日常性を破っていく行為とも考えられます。つまり「私はこう切り取ることで特別なものを見せたい」という意識が強いのであれば積極的に縦構図を使うと良く、逆にそういった非日常性は避けて「目の前にある日常をそのまま写し取って伝えたい」という場合は横構図のまま撮るのが良いとも言えそうです。

縦構図と横構図、写真の縦横の特徴とメリット目の前の風景をそのまま受け取ったような写真。

縦構図で上手く撮影するコツ

では縦構図で縦写真を上手く撮影するコツはあるのでしょうか。
上手く撮影するコツは基本的に縦構図の特徴やメリットを強化する方向で撮ることです。

縦構図の特徴は下記でした。

  • 情報を限定できる
  • 主題が強調される
  • 主観的になる
  • 非日常的になる
  • 見るときに視線が上下する
  • 奥行きとダイナミズムが生まれる
  • 表現の種類が広がる

画角や撮影対象によっても変わりますが、以下のように試してみるのがおすすめです。

情報を減らし、見せたいもの(主題)を引き立てる

縦構図にすること=見えている世界を限定することになりますが、写し入れるものを更に限定することで見せたいものが明確になります。人を引きつける写真が撮りたい場合は何を入れて何を入れないか、を意識すると良いです。

「点で見る/覗き見る/注視する」の意味を見つける

縦写真では、広い世界の中でここを見ているんだという感覚を相手に伝えます。つまりなぜ見ているのかが明確であれば良い写真になりますが、その意図が分かりにくければ写真の魅力は半減します。「このスポットを見てほしい、なぜなら〜」と説明できるくらい意図がある縦写真であれば、その写真は多くの人に伝わりやすい写真となるでしょう。

奥行きのリズムを考える

リズムは人が気持ち良いと感じる配置、間隔、バランス等です。縦で切り取るということは、切り取るバランスが問われます。少し視点を変えることでバランスは簡単に変わってしまいますのでその中でどれが最も人が良いと感じるのか、何度も研究をするのがおすすめです。

縦構図と横構図、写真の縦横の特徴とメリット波の形と人の位置のバランスが絶妙なリズムを生む。



近景から遠景を利用する

縦構図のダイナミズムを強調するのがレイヤー的概念です。これは写真を見てもらうのが早いです。

縦構図と横構図、写真の縦横の特徴とメリット

このように近いところから遠いところまで、いくつかの層を作ると印象深い写真になりやすいです。

横構図で上手く撮影するコツ

横写真を上手く撮るコツは、一般的な良い写真の撮り方と同じになります。つまり星の数ほどセオリーや撮り方が画角ごとにあるので法則のように取り上げるのが難しいのですが、あえていうなら余白を活かすのがポイントです。

縦構図と横構図、写真の縦横の特徴とメリット大きく余白を入れて被写体を際立たせる。

縦構図と横構図、写真の縦横の特徴とメリット左上は余白とし花へ視線を移動させる。

横構図の場合どうしても写真に写る情報が多くなります。多くなればなるほど何を見てよいのか分かりにくくなり、また雑然としたリズムのない写真になりがちです。そういった場合余白を入れてバランスを取ります。余白を入れることで見せたいものが明確になり写真が引き立ちます。ただし余白を入れすぎるとまた締りのない写真になってしまうのですが…このあたりは経験が必要です。絵画や平面デザインなどを参考に、主題と背景のバランス感覚を養うのが良いでしょう。

縦写真撮影のときの右腕は上か下か

縦横の写真撮影のスタイルについても触れておこうと思います。
縦構図で撮影するときに右腕をどうするか問題です。

腕を上にする場合は少し不安定な格好になります。その状態で長時間維持するのは疲れますし、ポーズとして大ぶりになるので目立ちたくないときには適しません。ただしこちらの方が一般的には正しいとされ、ライカ的にも公式でこのポーズを推奨しています。

一方腕を下にする場合は脇が必然的にしまるので状態が安定し、ポーズとしては控えめな姿勢となります。ただし腕は窮屈なので何度も行いたいポーズではないのかもしれません。また右目でファインダーを覗いていると左目はカメラで塞がってしまうし、レンズを左手で支えるとファインダーが隠れてしまうこともあるので反射的に撮影する場合に適したポーズではない気がします。すでにピントを合わせており、後はゆっくりシャッターを切るタイミングを図っている場合などには良いのでしょう。

まぁこのようにどっちが良いかという議論は尽きないのですが、完全な正解などはなく、自分の好きなようにするのが良さそうです。自分が撮りたいように、また自分の撮影する状況で最も効率的でスムーズに行える方法が最善だと思います。

逆に今なにか問題があって改善したいと思っているのであれば、他の方法を試してみるのは良い経験に繋がります。構図においても意識して撮っては見返して、を繰り返すと、いつかきっと自分なりの方法が見つかるはずです。

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