写真を撮る時の頭の中、思考、考え方と手順
写真を撮るとき、写真を撮るまでの短い間にやること、手順のようなものが多くある。それはマインドだったり、予備動作、良い写真にするための王道のステップとなる。
個人的に行なっているものも含めて整理してみようと思う。みんな何を考えてシャッターを切っているのか気になっている人はひとつの参考にして欲しい。
CONTENTS
ライカでの写真撮り方
人によって写真の取り組み方、写真の撮り方はさまざまだけれど、これをしておけば一般的に写真のクオリティが上がり、ライカで上手く写真を撮れるであろうことをまとめてみる。行動は大きく分けて写真を撮る前と撮る瞬間の2つに分かれる。
ライカで写真を撮る前にやること
写真を撮る前はとにかく目的をしっかり持つことが重要だ。もちろんふらっとカメラを持って出かけるのも悪くないけれど、何を撮りたいのか、それを撮るためにどうしたら良いかを明確にできる人ほど良い被写体に出会いやすくなるし、撮れ高の精度が上がっていく。
以下、個人的に写真を撮る前にやったほうが良いと思うリスト。
- 撮りたいもの、狙うものを定める
- それらが撮れそうな場所を決める
- 理想の写真を見返しておく(スマホに入れて出先でも見れるようにしておく)
- 最適なレンズを選ぶ(できれば単焦点でひとつにする)
- 天気とシーンに合わせて大まかな設定をする
- 被写体が見つかりそうな時には予めフォーカスを合わせておく
- それが撮るべき被写体なのか、惰性で撮ろうとしているのか意識する
これらを気をつけるだけでも随分と変わる。逆に何もしなければただランダムで登場する被写体とただ対峙するだけになる。休日のお散歩くらいであればそういうのも悪くないのだけど。
ライカで写真を撮る時にやることと流れ
撮る瞬間にやるべきことが実はけっこう多い。そして一瞬でそれをやらなくてはならないので何気に難しい。
この辺りは人それぞれの考え方があってあまり言語化されていないと思う。理想としては、自分なりのステップを組み上げて、それをなるべく速く、息をするように出来るようにすること。
以下、自分が撮影するときに気をつけていることリスト。
何を考えてライカのシャッターを切るか
- 被写体の魅力の本質を考えてそれがもっとも増える位置、角度を探す
- 写真全体に対する被写体のボリュームを決める
- 被写体に向きがある場合、その先に空間をあけるかどうかを考える
- 縦横をそろえて画面内をすっきりさせる
- 余計なものがないか確認し、ある場合は角度を変えて見えないよう工夫する
- 構図に迷ったらまずは3分割構図に当てはめてみる
- これらをあえて無視したほうが良くなるか考える
- 光やタイミング、他のイレギュラーな要素がないか確認する
- 再度後日条件を変えて撮り直したほうが良さそうであればメモする
- これらをきちんとやって撮ったのなら現場で見返さない
写真を撮る時のシャッターを切る思考と手順
必ずすべてを同時に行っているわけではないけれど、だいたいこのあたりは基本として無意識で行っていることが多い。スナップなどで被写体が常に動いている場合、この手順を出来るだけ速く行う必要がある。猶予は被写体を見つけてから最大3〜5秒くらいだろうか。
慣れるまではまずは止まっているものを相手にゆっくり丁寧にやって、ちょっとずつスピードアップしていくのがいいと思う。
ちなみに悩んでシャッターを切らないくらいなら、適当にでも切ったほうがいい。意外とそんな写真でも後で見返すと良い写真だったりする。もうけものだ。自分が考えた結果行動して、「そこにいること」自体にも意味があるのだ。いつでもシャッターを切れる、これがライカの良いところでもある。
また番外編として撮影後のこともちょっと書いておこう。
ライカ撮影後にやるべきこと
写真を言語化するということ
撮影前に撮りたいもの、理想の写真をあらかじめ念頭に置いていたと思う。これらと実際に撮れたものを並べてみる。
写真の仕上がりとして、同じように撮れて良かったところ、足りないところ、ダメなところを文字で書き出してみる。
この言語化がけっこう大事で、何となく違うなぁと眺めていても次に活かすのは難しい。これを愚直にできる人は写真がどんどん成長する。一人でこの作業はちょっと辛いなぁという人は他人にみせて感想を聞くのも良いだろう。
ライカ、レンジファインダーの距離感
またこれはライカがレンジファインダーだからこそのポイントなのだが「見て撮ろうと思ったもの」と「実際に撮れたもの」の距離感の適切さについて考えること。これが重要だと思っている。
レンジファインダーの良さは「フレーム内に美的に被写体を収めること」よりも「被写体に迫ること」を優先できること、だと私は思う。画としての綺麗さみたいなものばかりに執着すると写真はどんどんつまらなくなる。だから、どういった距離でいつ感動してシャッターを切ったのか、ここに深く注目したい。
現場の素晴らしさは体験した本人にしか分からない。その臨場感を適切に収める努力をしたか。それがきちんと写真に反映されているか、この確認作業が自分の写真を撮る上で最重要事項だと言ってもいい。写真を美しい構図としてしか見ていない人は大抵ここが欠けている。
写真を撮る時の思考と手順について
写真の思考に正解はない。撮る前の準備が100%の人もいれば、場所に限定したスナップのように撮る瞬間が100%の人もいるだろう。写真表現と個人の意図が無限にあるからこそ、どうしたいのか、何を見せたいのか、そこを自分で深く掘るしかない。
そしてそれがきちんと物語として成立していれば、他人の心を少しだけ動かすことができるかもしれない。これは2、3日でインスタンスに行えることではなく、淡々と続けていく必要がある。SNS上で即物的な写真は瞬時に消費されるが、こういった物語は長く人を引き付ける。どちらを選ぶか、それもまた写真の表現の方向性によって変わってくるだろう。
X(@soyumn)やってます。
ライカで撮った写真やライカ関連ツイートを日々更新中。
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