ライカと富、豊かさと価値について

「ライカと富」というテーマでちょっと話してみたい。

「富」というのは何なのかというと、そのものが与えてくれる価値のようなものだと思って欲しい。ライカは私を大きく豊かにしてくれた。この富がもたらすものを理解できるかどうかが、ライカを持つか持たないかの分かれ目だと思っています。

CONTENTS

ライカを得たという喜びの富

お金を出してライカを買う。払ったお金は失われ、その代わりにライカが手に入る。これはいうなれば交換だ。ライカに相当する金額を払うことで手元からお金はなくなり、その代わりにライカを使うことができる。交換条件をのんだからこそ手に入ったカメラになる。

この時点で失うものが大きいと感じる人はライカをおすすめしない。なぜならそれはライカが提示する交換条件を不当だと感じているだけではなく、その後の富を増やせないからだ。この「富」という考え方が実はライカを持つ上でとても大事だと思っている。これはライカに限らず、大きな買い物をするときには欠かせない価値観だと私は感じている。

Leica (ライカ) M11 Monochrom

富を増やしていくことと循環

ライカと富、豊かさと価値について

富というのは金額ではなく捉えにくい価値とも言えるし、自分が感覚として得られる無形の豊かさとも言える。

私はライカを初めて手に入れてからもうかなりの時間が経っているけれど、それでも今もライカを持つときは気分が高揚するし、正直自分が特別な存在になった気がする。まぁ誰でもお金を出せば買える代物なのだが、ライカを買う覚悟や選んだ理由、使い続ける意味、その他諸々を考慮すると、いろんな意味で特別な立ち位置にいる気がするのだ。そしてどのカメラよりも自分の価値観に合う造りをしていること。妥協のない完全なスタイルを見て、自分のものづくりにもライカから影響を受けている。

そして今でも、このライカを持ってどこへ出かけよう？ライカはやっぱり良いなぁとしみじみと感じたりしている。こういったことによってライカとその周辺、写真にまつわる生活の「富」が増えていると思うのだ。

たったひとつのカメラによって、自分の生活や考え方が大きく変わる。これは自分がまとまった金額と交換したことによって手に入れた富を更に自分で増やしてきた結果だと思う。そしてそれらはいま金額にするといくらなのかと聞かれるとまったく想像できない。いわばプライスレスなのだ。

ライカの価値と価格

私はいまライカを高い買い物だったとあまり感じていない。それは「ライカを値段以上すでに味わっている」と思っているからだ。それはこのサイトも関係していると思う。

ライカを手にしてからまぁいろんなことがあった。悩み試行錯誤し写真について深く考え、ライカについてもあれこれ考えて、ひとつひとつ自分なりの答えを記事にしていった。間違っていることや多くの人と違う点もいくつかあるだろう。しかしこれらは私ひとりでライカに関して途方も無い時間を費やして、写真とは？カメラとは？ライカとは？を生活とともに考えてきた結果でもある。そこには大きな豊かなカメラライフがあったと思う。

それが私の場合はたまたまライカだっただけなのかもしれないが、それをもたらしたライカに「感謝」がある。大げさに聞こえるかもしれない。しかしライカに熱狂する人が後をたたないのはそういう側面があるプロダクトだということは確かだ。

今の自分の中に写真というメディアの捉え方、人生においての写真の意味のようなものが明確にあるのは、このライカが引き金になったと言い切って良いと思う。そういうものがまだライカを持っていなくて検討している人にも今後訪れるのなら、ライカは安い買い物だと思うがどうだろうか。