LEICA PHOTO | 017
ライカで「ふつう」に撮るということ
Jan 24, 2023 | jindaiji
年末年始はどこか神妙な面持ちになったりします。厳かにただ、そのものを見つめる。すると何が見えてくるのか。そんなとりとめもないようなことを考えたりします。そこでテーマは「ふつう」に撮る。普通にあるものをそのまま撮る。余計なことはしない。なぜ写真を撮るのか、なんて考えたりしない。ただ、それがそこに「ふつう」にあるから撮る。ということで撮ってきた写真を振り返ります。
撮影で使用したライカレンズ
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意図的に視覚を遡らせる
場所は調布市深大寺周辺。元三大師像があるお寺です。元三大師はつのだいさんとも呼ばれる鬼の御札で有名です。京都でも魔除けの御札として軒先に貼っているのをよく見かけます。
今回カメラはライカM9-P、レンズは旧エルマー50mm f3.5。初心に戻りたいときによく選ぶ組み合わせです。エルマーは良くも悪くも普通です。エルマーでなければいけない、と思うことはあまりありません。それでもエルマーがなんか良いなと思うことはあります。そんなレンズです。
エルマーで特別でないものをつぶさに見て撮る。ごまかしが効かない、と思う。
普段は絶対に撮らないようなものも、見た瞬間に、そのままに。
丁寧に被写体を見つめ、丁寧にフレーミングする。ひとつひとつの動作に意味をもたせるように。
ただそこにあるものを、モノとして扱うのではなく、その文脈を探ったり、それが何であり、どこから来てどこへ行くのか。その途中の一瞬を今見ているという意識を持ってみる。
ぼかして「写真を撮った気分」になるのとも違う。強烈なパースペクティブで見慣れない風景に変換して写真にしたのとも違う。そのまんまの写真。
写真を撮る意味と、撮られた写真の意味
写真すべてに意味があるべきだ、というわけではない。しかし、写真を撮り続けているとなぜ写真を撮るのかわからなくなる。これは人生にも通じるようなことで、すべてに過度に理由を求めすぎると迷い悩んでしまいます。ちょっと大げさでしょうか。
魅力的で写真に収めたい、という衝動。その原点に帰る。
この後蕎麦を食べて、深大寺から吉祥寺へと向かいました。
久々に使ったライカM9-P。そしてエルマー。いろんな思いが重なり合いながら写真について振り返りつつ歩きました。写真には記録と記憶があるといいます。後に残すものとして記録した写真が、後にそのときの記憶を思い出させる写真となるのです。写真を撮るときにどうしても身構えてしまって、かっこいい良い写真を目指したりしますが、そういう写真は後で見返すと記憶と繋がっていなかったりします。
何気なく、特別な思いがなくとも、後で思い出すために撮っておこう。そうやって撮られた普通の写真が自分にとって大事なものになることも。力を抜いて、つぶさに見て、記録する。自分のための写真。そんな写真があっても良いし、それを誰かに見せても良いんじゃないか。そんなことを教えてくれた良い機会になりました。
オススメ
撮影の後にはきちんと清掃をするとカメラは長持ちします。
ゴミやホコリを飛ばすブロアーは必須。
センサーのゴミが気になったら自分でクリーニングもできます。
更にしっかり清掃したい場合はプロ仕様のクリーニングキットがおすすめです。
保管は必ず防湿庫へ入れましょう。ライカの場合下記のサイズがおすすめです。
X(@soyumn)やってます。
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