【決定版】28mmで印象的なスナップ写真を撮るコツ【これで難しくない】

28mmで印象的なスナップ写真を撮るコツPHOTO BY Marco

みなさんは28mmと聞いてどんなイメージを持つでしょうか。日常的な画角?もしくはスナップに最適な画角?28mmで上手く撮るのは難しいと感じている人も多いかもしれません。

ここでは28mmという焦点距離の特徴を抑えながら写真表現の可能性を探るとともに、28mmで印象的にスナップ写真を撮るコツをお伝えしていきます。

スナップ写真における28mmの特徴

28mmで印象的なスナップ写真を撮るコツPHOTO BY Sanshiro KUBOTA

まずは28mmの写真の特徴をおさえます。

  • 人の目で見た範囲よりも広く写る
  • 被写界深度が深くなる
  • フレーム内が乱雑になりやすい
  • 独特の歪みがある

28mmでスナップ写真を撮った場合、中景から遠景では人の視野より広い範囲が写ります。そのため自身が見ているものをそのまま写そうとすると、その外側も写り込んでしまうのでフレーム内が乱雑になりがちです。またレンズの構造上、ピントの合った部分が広くなるため被写界深度が深い写真が多くなります。

また一番の特徴として、肉眼で見たときと異なる独特の歪みがあります。人の視点より広い範囲を画面内に収めることになるので、例えば人の全身をめいいっぱい写したときには、頭と足先は自分から見た視点とは異なった形で取り込まれます。これが実は28mmで最も重要なポイントです。

スナップ写真で28mmを選ぶべき場合

28mmで印象的なスナップ写真を撮るコツPHOTO BY HM

ではスナップ写真で28mmが推奨される場合を考えます。

  • 前景と後景の関係を見せたい(レイヤー効果)
  • 近い距離から、見ているものをすべて写し取りたい
  • レンズをコンパクトにしたい、安価に抑えたい

28mmの画角ではメインの被写体をどっしりと中央に持ってきた場合でもけっこうな面積で背景が写り込みます。つまり意図せずとも、主題とそれ以外の関係性を見出すよう見る人に促す性質があるわけです。スナップでこの関係を上手く描きたい場合は28mmが最適だと言えます。そしてレイヤーのように前景と後景に撮りたいものを重ねて置いて、その遠近感を強調しやすいのも28mmです。

また今自分が立っている場所から近い距離での世界を広く写し取りたいときも28mmが適しています。

あと28mmのレンズは比較的コンパクトで軽量、そして安価なものも多いです。F値を欲張らなければ気軽に手に取れるレンズが多いのでボケを活かすスタイルでなければ28mmはスナップしやすいおすすめの画角になります。

28mmを他の画角と比較

28mmで印象的なスナップ写真を撮るコツPHOTO BY Gential LAMBERT

28mmを他の画角と比べてみます。

21mmより

  • 撮影範囲が少ない
  • 見たままの印象に近い形で撮れる
  • 日常感が強まる
  • ダイナミックな印象が少ない

35mmより

  • ボケが得づらい
  • より広いエリアを捉える
  • 歪みが大きくなる
  • 被写体と背景の関係性が見える
  • 縦横を崩しやすい

28mmという画角は35mmよりかは写真的表現として、虚構のイメージが強くなる印象があります。

28mmで印象的なスナップ写真を撮るコツPHOTO BY Mondo79

また水平や垂直にそれほど神経質にならないで済むのもその理由のひとつです。ただし21mmほどダイナミックではなく歪みも大きくないので、視線の延長としてスナップしやすく、やや非日常的に世界を捉える画角、という感じでしょうか。

28mmで印象的なスナップ写真を撮るコツ

28mmで印象的なスナップ写真を撮るコツPHOTO BY HM

28mmの特徴や28mmを選ぶシチュエーション、また他の画角との違いを意識することで28mmという画角について要点を追ってきました。

では28mmのレンズを使って、良いスナップ写真を撮るためのコツはあるのでしょうか。私が日々28mmレンズで写真を撮るときに意識していることをまとめてみました。

主題をきちんと作る

28mmで印象的なスナップ写真を撮るコツPHOTO BY Marco

28mmでは写真に写るものが雑然としがちなので、「これがメインで見せたいものです」と分かりやすい主題を作ったほうが写真が引き立ちます。広大な風景写真などには当てはまらないかもしれませんが、スナップの場合は主題をきちんと作るのが良いでしょう。

ライカMの最短撮影距離くらいで撮るとダイナミックになる

28mmで印象的なスナップ写真を撮るコツPHOTO BY Hendrik Wieduwilt

28mmの画角の眼が育っていない場合、スナップしたものが思ったより小さく写ってしまうことがあります。なのでインパクトのある写真を取りたい場合は、最短撮影距離(1m前後)付近に被写体を入れると良いでしょう。こうすることでダイナミズムが生まれます。

手持ちのコンパクトカメラだと手を伸ばす方法もありますが、ファインダーだと更に一歩近づいてスナップする必要があります。

雑然としていない興味深い背景を入れる

28mmで印象的なスナップ写真を撮るコツPHOTO BY Hendrik Wieduwilt

28mmの場合、標準レンズの画角に比べて背景の面積が大きくなります。この背景にいろんなものが写り込んでいると写真の情報が多くなりうるさくなりがちです。そのため背景自体を興味を引くものにしたり、1つのパターンで出来ているものにすると写真が安定します。

良い構図を先に探す、人が近づくのを待つ

28mmで印象的なスナップ写真を撮るコツPHOTO BY HM

良い背景を入れると写真が成立しやすいのであれば、まずはそれを探します。そして見つけたらそこを人が通るのを待ってスナップするという方法もあります。

正面から人と対峙する

何か路上でアクシデントや物事が起きている場合、その場に入って写真を撮ると非常に臨場感のある写真が撮れます。この当事者であることの現場の緊張感みたいなものは28mmだと写しやすいです。気になったらどんどん飛び込んでみるのがおすすめです。

近づきながら何度も撮る、感覚を掴む

28mmで印象的なスナップ写真を撮るコツPHOTO BY Mircea

写真を上手く撮るコツという意味では、実際に近づきながら何度も写真を撮るのがおすすめです。それを後で見返して「これくらいの距離だとこう写る」という感覚を身につけられると、とっさの状況で判断で誤らずにチャンスを逃さなくなります。

引き算で考え、フレーム内を整理する

28mmで印象的なスナップ写真を撮るコツPHOTO BY Hendrik Wieduwilt

28mmでは気づかないうちに余計なものが写り込み、写真としての情報は増える一方です。なので常に引き算で写真を考える必要があります。一度ゆっくりフレームの中を見渡して、本当に必要なのはどれなのか、いらないものはどうやったら排除できるのか、考えてスナップするのがおすすめです。

パターンを変えて撮り、しっくりくるものを選ぶ

誰しも最初から上手くスナップが撮れるわけではありません。撮るときに考えうる限りのパターンを撮ってみて、少し時間が経ってから見直してみます。すると撮ったときの主観が消えているので客観的に写真を判断でき、どれが最も良いのかが分かります。

明るいレンズは使わず安いレンズでパンフォーカスで撮る

28mmの場合、標準画角と比べるとボケの重要性が低くなります。明るいレンズを使うとボケを活かすという選択肢が増えてしまうため、28mmに慣れるまではボケは封印して被写体と構図に集中すると早く上達します。

設定を固定して考えることを減らす

撮影時の設定を固定するのもひとつの手です。絞りはF8、ISOは1600くらいにするとシャッタースピードはかなり稼げます。この設定だと28mmではフォーカスは大まかでもピントは合いやすいので、撮るものと構図だけに注力できます。こうやってたくさんスナップすれば28mmの眼が育ちます。

28mmを使う写真家

著名な写真家が28mmで撮った写真をお手本にするのも上達の一歩です。おすすめの写真集を紹介します。

Garry Winogrand ゲーリーウィノグランド

ライカ+28mmで有名な写真家といえばこの人です。ゲーリーウィノグランドの写真は28mmの教則本としても良いような内容です。買って損はありません。

Josef Koudelka ジョセフ・クーデルカ

これは28mmより若干広角で撮られた作品ですが雰囲気としては近いです。画面の構成など学ぶことが多いです。

さいごに

もしこれを見て28mmの写真って奥が深いな、と興味を持ってもらえたら嬉しいです。ただし実際に28mmレンズでスナップ写真を撮ってみて難しい、もしくは自分には合わないなと感じたら無理をして選ばなくても良いと思います。人によって撮りやすい最適な画角というのは違うものですから。

しかしそれでも一定期間連続して使ってみると新しい発見があり勉強になることもあります。もしこれまで28mmに手を出したことがない方がいればこの機会に一度触れてみてはいかがでしょうか。

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ライカで撮った写真やライカ関連ツイートを日々更新中。

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