ChatGPTに良い写真を撮る方法を聞いてみた【AIと写真】
ものすごい勢いで広まっているChatGPT。念のため知らない人に説明をすると、人類がこれまで生み出した知恵から最適解を導いてくれる会話形式の超高性能なAIです。
私自身すでにChatGPTを仕事でばりばり取り入れ、普段の生活でのちょっとした問題解決や、例えば体の不調の原因を探りたいときなどあらゆる面でChatGPTを利用しています。
そこで、ChatGPTに写真についてあれこれ聞いてみたらどうなるのか、気になったので試してみました。果たしてChatGPTは「良い写真」という言語化しにくい聖域に切り込んでくれるのか?
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CONTENTS
写真の表現ではなく共通している素質をChatGPTに聞く
まずはジャブ。
世界的に活躍している写真家に共通していることは何でしょうか。
写真の表現そのものではなく共通している素質をChatGPTに聞くというスタイルです。偉大な写真家を目指しているなら何が必要なのか、どう写真に対して接すれば良いのか気になるはず。
ふーん。まぁ、教科書みたいな答えです。でも確かに思い当たる節はあります。有名なあの写真家も、あの写真家も、独自性があって探究心があってストーリーテリングが上手かったなぁ、、
などと感傷に浸ってる場合ではないですね。独自性とは何なのか?写真への探究心とは?写真に対する物語とは?もうちょっと解像度を上げて説明して欲しい。
しかしここでちょっと立ち止まって振り返ってみましょう。
君の写真に独自性はあるのか?写真について常に学び続けているか?過去の写真家からいま流行の写真家まで、なぜそれが評価されたのか誰よりも興味を持って調べてそれを自分の作品に活かすことができているか?また、写真を取り続ける背景の物語を語り誰かの心を揺さぶることはできるのか?
ChatGPTさんはこういうことをおっしゃっているわけですね。なるほど。自分で解像度を上げてしまいました。
自分の写真を客観的に振り返るときに要点をおさえるためにはChatGPTはけっこう良いかもしれません。
良い写真=写真コンテストに置き換えてみる
曖昧なことを聞くよりコンテストに受かる写真を聞けば良いのでは?ということで写真コンテストに受かる方法をChatGPTさんに聞いてみました。
威厳のある写真コンテストに入賞するためには、どのような写真を撮れば良いですか?下記の観点からそれぞれ80字程度で教えて下さい。
・写真に盛り込むべき内容
・被写体の選択基準
・カラーかモノクロのどちらにするか
知ってた。ChatGPTさん正論ぶつけてきた。まぁそうだよね、と。評価する側に立ったとき「分かりやすい深みのあるメッセージ性」「クオリティの高い被写体」「良い構図」「素晴らしいライティング」があれば評価しやすいです。自分が長年こじらせた結晶みたいな写真送ってもコンテストは評価してくれないですもんね。
ただ、テーマに沿ったシンボリックなものというのはちょっと面白い。シンボリックをどう捉えるか、ですが、シンボリックなものは人の目を引きやすいのは確かです。自分が興味のある被写体の中でシンボリックなものとは何なのか。これを考えていくと答えにたどり着きやすいかもしれない。
ChatGPTさんヒントをありがとう。
写真の独自性とは何なのか
ちょっと初めに戻って「独自性」とは何なのか聞いてみました。
写真における独自性を生み出すにはどうしたら良い?
「独自性を生み出すには独自のスタイルを確立する。」
…トンチかよ、というツッコミは置いといて。誰かの焼き直しみたいなことをしていても何も生まれないってことですね、はい。まさにそれはあります。でも新しい表現をすると「こんなもの写真じゃない」って長年「写真を守られてきた方々」に怒られるんですよね、分かります。
それにしても、自分を犠牲にしないで楽しめる写真を取りましょうってAIに気遣いされるのはちょっと面白い。
写真の歴史を参照し有効な写真をChatGPTに答えさせる
写真の真理にぐっと踏み込んだ質問をしてみる。
これまでの写真史において評価された写真に共通する傾向を踏まえると、今後何に気をつけて写真を撮るべきでしょうか。
独自性きた。あとはメッセージ性と時代性。
確かにこの時代性というのは欠けている人が多いのではないだろうか。私は個人的に恒久的な写真で、ビンテージライクな被写体が好きなのだけど、その一方でアナクロニズムが嫌いです。相反しているのですけどね。でもそれはなぜかというと言葉の通り時代性が欠けているから。
この時代だから撮れるもの、そこに意識しながらそれらを撮る理由を自分なりに紡ぐ。そしてそれを続けることで見えてくる物語を語る。そしてそれを高品質に写真として出力する。写真家を名乗るならば最低限これをやらねばならないし、評価されうる写真には最低限これらがあると言っても過言ではないだろう。
AIにとって良い写真とは何なのか?
最後に最も言語化しにくい「良い写真」をChatGPTさんに答えさせてみようではないか。この答えがもし明確になるのであれば理論的にはいつでもどこでも良い写真が撮れるようになる、はず。。。
#命令書:
あなたはプロの写真家です。「良い写真とはどのようなものですか?」と聞かれたとき人を納得させられる十分な説明を考えて下さい。
#制約条件:
・路上の写真を基本とする。
・文字数は300文字程度。
・小学生にもわかりやすい言葉使いで。
・文章を簡潔に。
うん、微妙だ!でもこれはちょっと聞き方が悪かったかも。
まぁだいたい分かってはいました。アートや写真の文脈って体系的に処理できないですからね。そもそも、写真の世界でも次々と「良い」の定義が更新されているわけで、前時代的な「良い」写真を今更撮ったって、今それは単純に「良い」にならないのです。だからこそ写真やアートは面白いわけですが。
そしてAIにとって芸術はまだまだ最適解を出せない分野であることが分かりました。これから更に進化すればどうなるかは分かりませんが、現時点で「AIによって淘汰されない領域」としてクリエイティブが含まれているのは当然だと思います。
もちろん古いクリエイティブの傾向や、これまで人が良しとしてきたものに共通するものはAIは簡単に見いだせます。しかし、そこから我々が何を生み出していくべきなのかは時代性や個人の物語に掛かっているので、結局人はそこに労力をかけて新しいものを創造していくしかないのではないか。というきれいな結論でまずは終えたいと思います。
今回は簡単なさわりの質問でしたが、もっと工夫すれば人がこれまで議論してきた写真の本質の欠片は見つかると思います。気になった人はいろいろChatGPTに聞いてみて下さい。
https://chat.openai.com/chat
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