本当に良いレンズを見つけるたったひとつの方法【レンズ選び】

本当に良いレンズを見つけるたったひとつの方法【レンズ選び】

毎年次々と新しいレンズが出る。そして次々と過去のユニークなレンズが発掘される。そこでいつも思うのです。自分にとって本当に良いレンズってなんだろう、と。同じような疑問を抱えている人はぜひ最後まで読んでほしい。きっと自分にとって最高のレンズの見つけ方がわかるはず。

「良い」レンズの定義はたくさんある中、レンズ選びでとびきり大切なポイントをここに記そうと思います。

本当に良いレンズを見つけるたったひとつの方法

本当に良いレンズを見つけるたったひとつの方法【レンズ選び】

結論からいうと、良いレンズ=良い写真が撮れるレンズなわけで、そもそも自分にとって良い写真とは何か?という問いから始めなければいけない。なぜなら写真というジャンルがいくつもの表現方法を含むため、前提条件が変わると「良いレンズ」も変わってしまうからだ。

自分にとって良い写真とは?を考える

珍しいものを撮る人、過酷な場所に行って撮る人、人の視力を超えたものを撮る人、写真の形態は人によってさまざまだ。だから良い写真の定義は一概には言えない。自分の場合、良い写真は何なのかというといくつかある。そのひとつに、撮りたいという気持ちや情熱が完全に写真に乗っかって写り込んだとき、良い写真が撮れたなと思う体験がある。

つまり良いレンズとは「このレンズで写真を撮りたい」と思わせるレンズであり、撮りたい気持ちが乗っかるレンズである。これはスペックでは測れない、あいまいな部分が大きい。

なるべく言語化すると、手に持った素材の感じ、出てくる色味や線の細さ、カメラにつけたときの外観の相性、絞りの感触やフォーカシングのトルク感、などなど。諸々総合的に判断して、このレンズは良いなぁと感じていると思われる。

描写の良いレンズは良いレンズか?

本当に良いレンズを見つけるたったひとつの方法【レンズ選び】

このレンズを使えば必ず凄い描写が出てくる。そういうレンズはいくつかある。ライカで言えばノクティルックス 50mm f0.95なんかはそうだろう。王道の50mmという画角で、絞りを開けても絞ってもライカの最高品質の画が出てくる。

しかし、このレンズがすべての人にとって最高のレンズになるかというと違う。決して常に持ち運びたいレンズではないし、ノクティルックスだと取りづらい被写体も往々にしてある。

そしてレンズの描写が直接写真の良さに繋がるわけではない。ノクティルックスで撮ったからといってすべてが良い写真になるわけではないのだ。

例えば目の前に2枚の写真があって、1つは100万円のレンズで撮られた季節外れの枯れた花の写真。もう1枚は5,000円のレンズで撮られた、花の魅力が存分に伝わるような構図で美しい光が差し込んだ写真。あくまで単純な例だが、言いたいことは伝わるかと思う。写真がどんなレンズで撮られたか、は誰も気にしていない。

だからスペックは、撮りたいものが撮れる条件を満たしてさえあれば良くて、過剰には必要ない。「このレンズさえ手に入れれば、あの究極の画質が手に入る」というのはけっこうまやかしで、究極の画質で凡庸な被写体を撮っても何も変わらないのだ。

メディアとレンズの購買意欲

しかし次々と新しいレンズは出るし、メーカーや評論家、写真家がこぞって「このレンズは良いぞ」「このレンズを買えばこんな画が撮れるぞ」とはやし立てる。よく隅々までシャープ、なんていうが、隅々までシャープであることなんて見る側はそんなに気にしていない。でもまぁ、しょうがない事情もある。商品の魅力を伝えるのは大事だし、選択肢は常に多くあるほうが良いのは確かだ。新しくレンズを知ってフラットに選べるのは素晴らしいことこの上ない。しかしこんな情報社会で、私たちは冷静に判断をしなくちゃならない。

良い写真は多少画質が悪くても良い写真だ。ブレていても、ピンぼけだったとしても。だから本当はレンズなんて何だって良い。しかし写真の中には特定のレンズでしか撮れないものや、レンズの性能によって感動を底上げするような表現も確かにある。これは否定できない。だからライカも常に新しいレンズを作るし、私もそれの良さを伝えていきたいと思っている。

良いレンズとは良い道具

本当に良いレンズを見つけるたったひとつの方法【レンズ選び】

自分の場合、良いレンズとは気持ちが乗るレンズだといった。つまり写真を撮るときに良い気分にさせてくれて、かつ道具として透明になるレンズが最も良いレンズだと思っている。透明になる、とは、撮るときにレンズ自体をあまり意識しない、ということ。「このレンズはこう撮らねばならない」みたいな暗黙のルールに縛られずに、自由に自分の撮りたいように撮れるレンズ。そういう意味ではちょっと無個性なレンズほど良いレンズなんじゃないかと思ってる。

結局良いレンズの見つけ方はひとつしかない

こういう風に自分の撮りたいものって何だっけ、そして自分にとって良い写真とは何だっけ?と常々考えて分解していくことが本当に良いレンズを見つける方法だと思う。そういう意味ではレンズの作例ばかり眺めていても何も進展がない。SNSで人の写真をみて、「私もこんな風に写真撮れたら良いんだけどなぁ」といいねを押している場合ではないのだ笑

数ある写真の中から自分に刺さるものはどれなのか。そしてなぜそれが刺さったのか考える。そしてそれらのような写真を自ら進んで撮りたいのかどうか。もし撮りたいのであれば、そのためには何が必要で、どう撮りたいのかも考える。

そこで、そのためのレンズはどれが良いのか、を選んだら良いと思う。レンズ選びはこのフェーズでやっと意味が出てくるし、真の意味で正解は自分の中にしかない。

レンズ選びは楽しい。間違いない。新しいレンズを手に入れると高揚して、大きな力を得たんじゃないかと錯覚する。すべてのレンズを使ってみたいとも思う。

私もこれまで数え切れないほどライカのレンズを使ってきたが、本当に必要なものは意外と身近なところにあるもので、凡庸な選択に落ち着いた。

もし良いレンズについて悩んでいたらまずは自分に問いかけてみるのをおすすめする。そして写真をはじめたときの感覚や、撮りたいと感じた素朴な気持ちに真正面に向き合えたら、自ずと答えは出るのではないだろうか。

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