写真が上手くなる方法と上達の究極のステップ【アトリエライカ的】
「写真が上手くなりたい」というあなた。毎日どんな写真を撮っていますか?
写真が上手くなりたいと言いつつ、何となく惰性で撮っていませんか?写真技術を向上させるための解説本や教室がいくつもあり、機材、構図、色味、現像など写真表現に関しての選択肢も山程ある中、どうしたら上手くなるのかわからずにいる方も多いと思います。
ここでは私なりに写真を長く考えてきた経験を元に、小手先のテクニック等ではなく上手くなるための本質を知りたい人向けに、とっておきの方法をお伝えしようと思います。中級者以上向けの内容です。
CONTENTS
写真が上手くなる方法とその考え方
まずは結論からお伝えしましょう。
上手くなるための方法をぎゅっとまとめると、「自分の写真的手法を選び、それに近いものを収集し、ひたすら真似ることを繰り返す」というものです。ここから詳しく解説していきますね。
そもそも上手い写真とは
写真には無数の表現があるように、写真の上手さの種類も無数にあります。とにかくクオリティが高いのか、珍しいものを撮っているのか、ありえないような瞬間を撮っているのか、これだけでもまったく異なるタイプの写真なわけです。人の数だけ世界があるように、写真もひとつの基準では図れません。
まずはあなたにとっての上手い写真とはどういうものなのか、じっくり考えてみましょう。自分にとって上手い写真=撮りたい写真でも構いません。ある程度決まったら次の行動に写ります。
自分が上手いと思う写真を収集する
客観的に評価が高い写真からあなたの属性に合う写真を集めます。例えばですが、写真雑誌のコンテストで入賞している作品を過去10年ほど集め、その中から自分好みのものを選ぶのもいいと思います。数はそれほど多くなくても大丈夫です。仮に20枚程度とします。
これはもちろん写真雑誌でなくても構いません。ライカに絞りたいならライカを使う写真家の写真集を集め、そこから好きなカットを集めるのも良いでしょう。ポイントは「そこそこ好き」なものではなく、「これ以上にない」というものを選びましょう。
上手い写真が構成されている要素を知る
写真が集まったらそれぞれの写真の要素を分解して、それが何で構成されているのか、そして何が自分に刺さっているのかを考えましょう。写真を気に入った理由が理解できたら、どうにかして同じような写真が撮れないか最大限工夫をして実際に写真を撮ってみてください。時代や国も違うでしょう。それでも現代の自分の環境でなんとかして似た写真を撮ってみてください。
上手い写真を言語化する
そして並行して再度なぜこの写真を良いと思ったのかを言葉にして書き出してみましょう。1枚の写真に対して、1度ではなく何度も行ってみましょう。すると自分が良いと思う写真は、だいたい似通った言葉で構成されていることが分かってきます。つまりあなたが撮りたい写真、上手いと思った写真にはその言葉、写真言語が含まれている写真ということになります。
さて、似た写真は撮れましたでしょうか?きっとなかなか上手く撮れないと思います。撮れない理由はおそらく以下にあるようなことではないでしょうか。
- 1 写真のような被写体がそもそもない
- 2 写真のようなタイミングに遭遇できない
- 3 写真のような場所に行けない
- 4 どうやって撮っているのかわからない
ひとつひとつ見ていきます。
写真上達のコツと究極のステップ
1 写真のような被写体がそもそもない
珍しい被写体にはなかなか出会えません。つまりそれに出会うこと自体に価値があるということです。
元の写真を撮った写真家はその被写体に合うのに3日かかったかもしれませんし、3年かかったかもしれません。つまり、被写体に合う努力をしている可能性が高いです。
上手く写真を撮れない理由が1であれば、被写体に合うには努力が必要だということが理解できます。もしくはそういった被写体を自ら仕立て上げて用意する必要があるということです。
2 写真のようなタイミングに遭遇できない
写真というのはほとんどが偶然の産物であり、「いかにその偶然を生み出すか」というのが唯一写真家ができることです。
どうしてもこのような上手い写真を撮りたい、と願ったとき、あなたはどれだけの行動をしましたか?その偶然が起きるよう環境を作ったり、それが起きそうな場所と時間に何度も通ったり、場合によっては声をかけシチュエーションを作ることもしましたか。
またそれらが実際に目の前で起こったときにとっさに上手く撮るスキルは必須です。
上手く写真を撮れない理由が2であれば、タイミングを作り出す、偶然に出会うための努力が必要だということが理解できます。そしてもしそのタイミングが訪れたときに必ず写真に収めるためには、日頃から即座に良いショットを得る訓練をする必要があります。
3 写真のような場所に行けない
そもそもこんな写真の場所にいけないよ、という人も多いでしょう。しかし、その写真を撮った人はそこにいました。
つまり、時代が違うことを除き、世界のどこかでそれを撮れるなら、そこに行くべきです。たった一枚の写真にそこまで、、と思うのであれば、写真への情熱はそれまでということだと思います。
4 どうやって撮っているのかわからない
良い写真家は「何を撮るか」、だけでなく「どう撮るか」もこだわるものだと思います。それはレンズそのものや最適な焦点距離、特殊なフィルターなど使えるものは何でも使います。
私自身も100年前のレンズを掘り出してきたり、レンズのエレメントを抜き出して改造したりしています。また写真用ではない特殊なガラスやフィルムを買ってはレンズの前において面白い写真が撮れないか実験しています。
面白いイメージへの欲求が大きければ大きいほどアイデアは湧いてきて、ユニークな撮り方の引き出しが増えていきます。また写真をたくさん見れば見るほど、その歪みや圧縮効果から使われているレンズのおおよその焦点距離は見えてきます。
この1〜4の現状を目の当たりにすれば、自分の今の現在地を知ることができます。まぁ大抵の写真家はプロではないので、「プロが撮れている写真」と「自分が撮れない理由」の差に落胆するかもしれません。
しかしあなたが趣味で写真を撮っているのならそれでも良いのです。ほどほどに諦めること。これも大事です。そして自分が「日常的に無理なく撮れるもの」の中から良い写真を撮る、というスタンスもあります。
もしこの1〜4をクリアしてある程度撮れるようになったら、そこそこ写真が上手い状態になっていると思います。それっぽい写真はすぐ撮れるようになっているでしょう。そしてここから更に一歩ステップアップするのであれば、そこに自分なりの表現方法を追加したり、アレンジをして、独自性を生み出していく段階です。
そして「こういう風に撮りたい」と思って撮った写真が客観的に伝わるのか、ぜひ第三者に見せて確認しましょう。自分が思っている以上に写真というのは簡単に人に伝わらないものですからね。
これを繰り返せば、自分が良いなと思う写真がきっと自分自身で上手く撮れるようになっていると思います。
さいごに
以上、アトリエライカ的写真が上手くなる方法でした。興味のある人は一度やってみて下さい。失うものは特にありませんし、何かしら得るものはあると思います。
しかし、これも上手くなるためのあくまでひとつの方法でしかありません。泥臭い積み重ねをせずに、別の方法で上手くなることも可能です(その場合はまた別の写真の上手さになりますが)。
ちなみにそれは一言でいうと理詰めです。写真に関することをひたすら理詰めします。写真がどのように変遷し、どう認識され、どう言語化され、どう伝わっていくのか。それをコントロールして優位性を打ち立てるためには、どのような被写体を選び、どのような機材を使い、どのように撮り、それをどのようなステートメントで打ち出し、どう表現するか。
考え方によってはこっちのほうが泥臭いかもしれません笑 これ以上解説していくと更に長くなるので、これに関してはまた別の機会に書こうと思います。
いやー、写真って難しいですね。知れば知るほどよく分からなくなりますね。
だから写真って面白いのでしょうね。
X(@soyumn)やってます。
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