新型ライカQ2(LEICA Q2)は買うべきか?

新型ライカQ2(LEICA Q2)は買うべきか?

ライカQの後継機として2019年3月に新型ライカQ2(LEICA Q2)が発表されました(発売日は3月23日)。2015年6月20日に発売されたライカQはその手軽さながらもM型ライカと同等レベルのクオリティを持った写真が撮れることで発売後も非常に評判の良いモデルです。そのライカQがライカQ2になって画素数が増えたり、4K動画撮影が出来るようになったり、防滴仕様になったりと様々な変更がありましたが、実はこれすごいアップデートなのでは?と思っています。価格は値上がりしましたが、買うべきか買わないべきかと言えば実に「買うべきモデル」なのです。ここではライカQ2(LEICA Q2)の仕様を抑えながらその魅力について記していきます。

ライカQとライカQ2の主な違い

ライカQとライカQ2の主な違い

  • 2420万画素から4730万画素に
  • 368万ドットの電子ビューファインダーから有機ELへ
  • フルHD動画撮影からシネマ4K撮影が可能に
  • 防塵防滴仕様
  • 75mm相当のクロップが可能
  • スマートフォン接続がWi-Fiに加えてBluetooth接続も

外観について

デザイン自体は大きく変わりませんが、細かい部分をよく見ると変更があります。特に背面のファインダーの仕様や形状、またボタン類が丸いタイプから四角いタイプに変わったことでよりシャープな印象です。そしてトップカバーは撮影モードが省略されLEICA Qの刻印もなくなったことでよりミニマルな印象に。

以下それぞれの変更点について詳しく見ていきます。

画素数が2420万画素から4730万画素に

画素数が2420万画素から4730万画素に

近年では画素数の増加はそれほど話題になりませんが、プリントをメインに行う人にとってはこれは朗報だと思われます。また少しばかりの増加でなくほぼ2倍に有効画素数が増えたということは、クロップで画角をカバーするライカQにとっては大きな利点です。それぞれの画角での画素数は以下の通り。

28mm – 4730万画素
35mm – 3000万画素
50mm – 1470万画素
75mm – 660万画素

実は35mm換算でもM型よりも画素数が多いです。75mmでは若干物足りなさも感じるものの、それでもこの4つの画角をひとつのカメラで補うことが出来るというのはすごいことです。また価格の面でいっても、28mmから75mmのMレンズのSummilux(ズミルックス)をすべて買い揃えるとなると250万円くらい(!)はするのでそれをレンズ1つ分の価格で賄えるというのは大きいように思います。

とある写真家は、写真はカメラではなくプリントなのだと言いました。ライカQ2ではこれだけの解像度があるので、たとえ大きく引き伸ばしたとしても十分に耐えうる性能があります。もはやライカQ2は誰でも気軽に使えるカメラというよりプリントを視野に入れた特化型の本気のカメラとも言えそうです。

防塵防滴仕様、4K動画撮影で何が変わる?

防塵防滴仕様、4K動画撮影で何が変わる?

水が入りにくくなったくらい?ではないこの変更点。撮影スタイルや表現の幅までにも大きく関わってくると思われるアップデートです。防塵防滴になり、4K動画撮影ができると何が変わるのか、大きな点としては下記があります。

防塵防滴仕様

  • ・雨の日でも気にせずスナップができる
  • ・過酷な環境で攻めた撮影ができる

防塵防滴仕様で4K撮影

  • ・山や旅など荷物の制限があるなかでハイクオリティーの動画が撮れる

雨の日でも気にせずスナップができる

ライカと言えばやはりその静かな佇まいからスナップ撮影に向いているのは周知の通りですが、どうしても高価なカメラであるため取り扱いに慎重になってしまうことが多いようでした。しかし防塵防滴となるとカメラのことを気にせずにがんがん使えます。例え雨の日であっても濡れることを気にせずにスナップできるというのはまた新たな表現に挑戦できる強みだと思います。

過酷な環境で攻めた撮影ができる

機材を第一に考えると撮影を控えるべき場所というのはたくさんあります。そういった過酷な環境でも臆することなくカメラを掲げレンズを向けることができるのはこのライカQ2ならではだと思います。レンズのズミルックスも防塵防滴のために新たに設計されているようなので公式の作例のように雪山やアウトドアでの使用にも最適だと思われます。

山や旅など荷物の制限があるなかでハイクオリティーの動画が撮れる

これからは動画の時代です。5Gのモバイル通信が普及しこれまで写真が中心のやり取りだった部分が動画に置き換わることも多くなってくると思われます。そういった中でより高品質のものを手軽に撮れるようになるというのは大きな利点です。

M型はマニュアル撮影に限られるため、動画機能は付けたものの撮影に不便な点が多く不評な結果となりました。M10では動画機能を廃し写真表現に絞ることで、写真文化の創造を担ってきたライカの醍醐味が味わえ、写真撮影そのものに集中できる形となっています。しかしライカ的なエッセンスのある動画も撮りたいというニーズはやはりあります。そこでフルサイズでライカSLのように大きくなく、気軽に動画を扱え(しかも4Kで撮影できる)ライカQ2はとてもメリットがあります。言うまでもなく写真を撮るためにはまずカメラを持っていく必要があり、そのカメラを持っていくハードルが下がれば撮れるものも自ずと増えていくでしょう。「とりあえずライカQ2を持っていく」という選択肢が世の表現者にとって最善の選択肢になる可能性はとても高いです。

ライカX-Uとどう違う?

ライカX-U

ライカの製品ラインナップの中にアウトドア仕様のアクションカメラというものがあります。2016年2月13日に発売されたライカX-Uというモデルです。ライカX-Uは耐衝撃に優れ、高い防塵性能をほこり、完全防水なのでどんな過酷な環境でも撮影できるモデルです。APS-CサイズのCMOSセンサーを搭載し、有効画素数は1620万画素となっています。フルHDの動画も撮れて良いモデルのようですが、そのタフな外観と仕様からか、ややマイナーなモデルとなっています。今回ライカQ2が防塵防滴仕様になったので、ライカX-Uほど派手な用途で使わないが特殊な環境での撮影に挑戦してみたい人にとっては嬉しい内容かと思います。

ライカX-Uの作例はこちら

フォトヨドバシのサイトへ

ライカQ2の作例

ライカQ2の作例はこちらにあります。

ライカQ2の作例へ

ここではあらためてライカQの作例を見てみます。

ライカQの作例PHOTO BY Andreas Schalk

ライカQの作例PHOTO BY David Guyler

ライカQの作例PHOTO BY Hendrik Wieduwilt

ライカQの作例PHOTO BY Zengame

ライカQの作例PHOTO BY Andreas Schalk

ライカQの作例PHOTO BY Jimmy Baikovicius

ライカが得意とする広角側の描写は、唸ってしまうようなM型の素晴らしい描写とほぼ同じといって良いと思います。そして広角に加え35mm、50mmでクロップ、マクロ撮影もできるので多彩な表現が可能なのがライカQの特徴です。ここに75mmの表現が増え、4k動画撮影もできるとなるとライカQ2はある種現状で完璧なカメラとも言えそうです。

ライカQ2の仕様、発売日、価格

ライカQとQ2の仕様を比較しました。

モデル ライカQ ライカQ2
発売日 2015年6月20日 2019年3月23日
価格 55万円程度 70万円程度
撮像素子 フルサイズCMOSセンサー
有効画素数 2420万画素 4730万画素
レンズ ズミルックス 28mm f1.7 ASPH.
焦点距離・画角 1.25倍(35mm相当)、
1.8倍(50mm相当)
1.25倍(35mm相当)、
1.8倍(50mm相当)、
2.7倍(75mm相当)
絞り f1.7~f16(1/3EV ステップ)
最短撮影距離 30cm(マクロモード17cm)
レンズ構成 9群11枚(非球面レンズ3枚)
シャッター 30~1/2000秒(メカニカル)、
1/2500~1/16000秒(電子シャッター)、
フラッシュ同調速度:1/500秒
60~1/2000秒(メカニカル)、
1/40000秒(電子シャッター)、
フラッシュ同調速度:1/500秒
ISO感度 100~50000 50~50000
ダイナミックレンジ 13段
測光方式 マルチ測光、中央重点測光、スポット測光
手ブレ補正機能 光学式(静止画および動画)
電子ビューファインダー LCOS 液晶368万ドット OLED 有機EL約368万ドット
モニター 3.0型TFT タッチパネル式
液晶モニター 約104万ドット
対応メディア SDメモリーカード、
SDHCメモリーカード、
SDXCメモリーカード
SDメモリーカード、
SDHCメモリーカード、
SDXCメモリーカード(UHS-II対応を推奨)
記録画像形式(静止画) DNG、DNG + JPEG、JPEG
記録画像形式(動画) MP4(フルHD) MP4(C4K、4K、フルHD)
フレームレート フルHD(1920x1080)60/30fps C4K 24fps、4K(3840x2160)
30/24fps、フルHD 120/60/30fps
入出力端子 マイクロUSB端子(USB2.0 High-Speed)、
HDMI端子、Wi-Fi
Wi-Fi、Bluetooth
バッテリー BP-DC12(1200mAh) BP-SCL4(1860mAh)
外形・寸法 80×130×93mm 80×130×91.9mm
重さ 590g/640g(バッテリー含) 652g/734g(バッテリー含)

さいごに

ライカQ

ライカQと比べライカQ2の価格は10万円以上アップしたようで、実質値上がりとなりましたが、それに見合うアップデートのように思います。ライカQを持っている方にとってもライカQ2は魅力的なモデルになっていますので、早めに乗り換えるのもひとつの方法かと思います。またライカでどの機種にするか悩んでいて交換レンズを視野に入れないのであれば最有力の候補となるのは間違いないように思います。ライカQ2-Pや限定モデルも出るのだろうな、、と思いつつ気になったらまずは店頭でさわってみて、後は懐と相談するとしましょう。とにもかくにもライカQ2はとてもおすすめです。

PRODUCT PHOTO BY LEICA CAMERA AG

X(@soyumn)やってます。
ライカで撮った写真やライカ関連ツイートを日々更新中。

オススメ



おすすめ写真本

新着記事

→最新記事をもっと見る



その他のライカ特集ブログ

ライカMマウントレンズ

良く読まれている記事

合わせて読みたい

FIRST LEICA初めてのライカ

ライカとは



ライカの買い方

ライカ撮影に必要なもの

ライカとオールドレンズ



マウントアダプター簡単検索ツール