LEICA M10-Dレビュー
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LEICA M10-Dの仕様(スペック)
- マウント
- Mマウント
- 撮影形式
- デジタル
- タイプ
- M型ライカ
- レンジファインダー
- 0.73倍
- シャッター最高速
- 1/4000
- シャッター最低速
- 125s
- ISO
- 100〜50000
- 撮像素子
- 35mmフルサイズ 2400万画素 CMOSセンサー
- 露出モード
- 絞り優先AE、マニュアル
- 液晶モニター
- なし
- サイズ
- 139×80×39mm
- 重量
- 660g
- 製作年
- 2018-
- カラー
- ブラック
- 市場価格
- 約750,000-850,000円
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LEICA M10-Dの特徴
ライカM10から背面液晶を取り払い、デジタルカメラにおいて最も重要なLCDによるプレビュー機能及びライブビューを廃止したモデル。ライカによるキャッチフレーズは「デジタルボディ。アナログソウル。」
ライカM (Typ240)の派生機、ライカM-D(Typ262)とコンセプトとしては似ている。
ベースとしてはライカM10-Pを基本とし、背面液晶の削除、背面ダイヤルの追加、フィルム機の巻き上げレバーのようなサムレストが追加されている。このサムレストレバーは折りたたみ式で状況に応じて開閉でき、撮影時の安定性を向上させることができる。
外観や仕様はライカM10-Pと同様に、ライカの赤バッジがなく、静音シャッターを採用している。背面液晶で主に行っていた設定はwifiを通じてアプリの「Leica FOTOS」を介して設定可能。電子ビューファインダー「VISOFLEX」を取り付けることにより、ライブビュー機能も使用可能。背面ダイヤルでは電源のON/OFF、wifiへの接続、及び露出の設定ができる。
このように一見するとフィルムのようなカメラでありながらも現代の技術を上手く取り入れることにより機能を確保して写真撮影に特化した形に昇華した意欲的なモデルだと言える。
なお、ボディは本革仕様となっている。(M10、M10-Pは合成皮革。)ブラッククロームのみ。
LEICA M10-Dの使い勝手
何といっても背面の液晶ディスプレイがなくなったことでの使い勝手の変化が大きい。
まず、撮影に関する細かな設定はアプリのLeica FOTOSを使うことになる。撮影画像をどの形式(RAWのみ、RAW+JPG)で記録するかの設定や、JPGの画像設定、自動ISO設定で使用される最大ISOと最小シャッター速度などを決めることができる。
事前にこれらを設定しておいて、撮影時はシャッターを切ることだけに集中するというスタイルが基本になる。
Leica FOTOSとの接続は背面のダイヤルをwifiにまわすだけなので直感的に行える。ただ、wifiは接続するのに30秒ほどかかり、これが地味にストレスだったりする。また接続されるときとされないときがあり、その度にカメラとアプリを終了してまた30秒待つという行為を強いられることが稀にある。
本機で初めて追加されたサムレストレバーに関しては操作感も音も素晴らしく、この操作だけを無意識に行ってしまうほどよく設計されている。開ききるとガタもなくカメラのホールドも非常によくなる。ライカM10ではシューに装着するタイプのサムレストを純正で製造していたが、こちらは状況に応じて取り外しする必要があり、またシューも埋まってしまうためやや不便だった点がこのライカM10-Dでは完全に解消されている。
EVFの「VISOFLEX」を装着すると、ライブビューを使ってピント合わせをすることができる。望遠や超広角のレンズを使う場合はこのVISOFLEXは非常に役に立つ。
VISOFLEXを使ってシャッターを切った場合、撮影された画像をどの程度の時間表示保持するかをLeica FOTOSにて設定できる。これは撮影の撮れ高を常に確認したい場合などに役立つだろう。ただし、撮影後の写真をVISOFLEXにて閲覧することはできず、閲覧はLeica FOTOSに接続する必要がある。
なおVISOFLEXを装着した状態でライブビューをオフにする機能がなく、常につきっぱなしとなる点は改善されて欲しい。よってVISOFLEXをつけるとバッテリーの消耗が激しく、必ずスペアがいるものだと思ったほうが良い。
いろんな問題があるものの、VISOFLEXがあることの恩恵は非常に多く、ライカM10-DユーザーはこのVISOFLEXは必須のアイテムだと思ったほうが良い。
このように前モデルのM-D(Typ262)とは近いようで遠い、新しい設計思想を持ったカメラとなっている。
その他、シャッターボタンの右側にあるボタンは、ファインダーに表示されるバッテリー残量の切り替えなどに使用する。カメラ前面のボタンはVISOFLEX使用時の拡大設定などに使用する。
なお、6Bitコード(リンク)のついていないレンズに関しては設定でレンズ選択する方法がないため、補正を得られない。ただこれによって大きな支障が出るようなことは少ないと考えて良い。
撮影をすると、チンピング(写真を撮った後にすぐ画像を確認する行為)を行えないため、撮ることだけに集中できるメリットが大きいことが分かる。撮るときは撮影だけに集中し、あとはカフェなどでゆっくり画像を確認するという流れは、このデジタル時代に一息入れてくれるユニークな撮影スタイルとなるだろう。
LEICA M10-Dのメリット、デメリット
- 背面液晶がない。
- ライカM10と同じ重量。
- 他のライカに比べて薄い。
- フィルム機とほぼ同じ厚みになった。
- シャッター音が非常に静か。
- ISOダイヤルがつき、直感的に操作できる
- 往年のライカらしい佇まい。
- 撮影に集中しやすい。
- 画像の追い込みができない。
- 暗所に強く、室内においても撮影しやすい。
- ブラックペイントではなくブラッククローム。
- 自然な色味が得られやすい。
- マクロや距離計非連動レンズ、望遠レンズが使える。
- スリープからの復帰に少し時間がかかる。
- Rレンズを使用することができる。
- M9と近しい絵作り。
- コンパクトで携帯性にすぐれる。
- すべての撮影設定を軍艦部で確認できる。
LEICA M10-Dに関するアイテム
LEICA M10-Dで撮影された作例
PHOTO BY HM
PHOTO BY HM
PHOTO BY HM
PHOTO BY HM
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LEICA M10-Dを選ぶのに向いている人
ライカM10-Dは非常にニッチな魅力を持っており、往年のライカユーザーからも好評なモデルである。撮ることに集中したい人、ライカをシンプルに味わいたい人、なるべくデジタルの操作を減らしたい人、なんかはとても良いカメラだと思う。
レンジファインダーでは大口径レンズを使ったときのコサイン誤差や広角での少しの構図の違いなど、気になって何枚も撮ったものの結局はじめの1枚が一番良かったなんてことはざらにある。そもそもライカというカメラは細かな構図決定よりも被写体の魅力を素直に捉える瞬間に重きを置いているカメラであり、特にスナップに適しているとよく言われるのもカメラの性質によるものが大きい。
ライカM10-Dはライカの原点に立ち返り、ライカ的写真撮影の精神を宿したカメラであると言える。ただし、極限まで機能を削ぎ落としたカメラではなく、VISOFLEXやwifi、アプリによって機能を補完したハイブリッドなカメラとなっている点が、「デジタル時代におけるカメラがどうあるべきか」ライカが導き出した結果のようで興味深い。
ある程度割り切りが必要になるカメラであることは言うまでもない。安定志向を優先すればライカM10-Pを選ぶのが妥当であるものの、手放すことで得られるものというのは確実にある。たかが液晶ディスプレイ、写真撮影の本質を求める方にぜひ手にとってもらいたいカメラだ。
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ライカM型カメラ
X(@soyumn)やってます。
ライカで撮った写真やライカ関連ツイートを日々更新中。
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