LEICA M-D (Typ262)レビュー
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LEICA M-D (Typ262)の仕様(スペック)
- マウント
- Mマウント
- 撮影形式
- デジタル
- タイプ
- M型ライカ
- レンジファインダー
- 0.68倍
- シャッター最高速
- 1/4000
- シャッター最低速
- 60s
- ISO
- 200〜6400
- 撮像素子
- 35mmフルサイズ 2400万画素 CMOSセンサー
- 露出モード
- 絞り優先AE、マニュアル
- 液晶モニター
- なし
- サイズ
- 139×80×42mm
- 重量
- 720g
- 製作年
- 2016-
- カラー
- ブラック
- 市場価格
- 約400,000-500,000円
PHOTO BY Guido van Nispen
LEICA M-D (Typ262)の特徴
ライカM (Typ240)から背面液晶を取り払い、デジタルカメラにおいて最も重要だと思われていたプレビュー機能さえ廃止したモデル。ライカM (Typ240)から動画機能とライブビュー機能などを廃したライカM (Typ262)をベースとしているため、LEICA M-D (Typ262)という名称になっている。
このモデルが発表される前に限定モデルとして製造された「LEICA M-P (Typ240) Edition 60」とコンセプトとしては非常に近い。
RAW形式のみの撮影可能となっており、jpgでの書き出しはなし。メニューもないため基本的な操作設定は物理ダイヤルによる操作のみとなっている。
またブラックのみの展開で、外装はブラックペイントとなる。
PHOTO BY Xavier León
LEICA M-D (Typ262)の使い勝手
液晶ディスプレイを取り払ってしまうとそもそも撮影の操作として成り立つのか、というところが疑問に上がるが、フィルムカメラのように基本的な操作設定のみで問題なく撮影できるように設計がされている。フィルムを装填する感覚はないが、暗室作業など手間が必要なカメラよりも快適にデジタルの恩恵を受けたいという人にはぴったりのモデル。
外観としてはフィルム送りレバーと巻き戻しノブがないだけで、往年のM型ライカを彷彿させる伝統的な形状そのもの。ISOコントロールダイヤルは背面にあり、200-6400まで自由に設定できるがISOオートはなし。
測光は中央重点測光のみに限られ、ホワイトバランスはオートのみ。レンズの検出は6Bitコードによって行う。そのため6Bitコードのないレンズに関しては撮影情報は記録されず、またレンズごとの補正も行われない。ここに関しては注意が必要。
ライカM (Typ240)との違いとして、ライカM (Typ240)では動画録画用としてあったトップのボタンはファンクションボタンとなり、バッテリー及び撮影枚数確認、また露出値補正を行うためのスイッチとなっている。またライカM (Typ240)で使えた多機能ハンドグリップはこのライカM-Dではコネクタがないため使用できない。そしてフレームセレクトレバーは復活している。またブライトフレームに関しては白のみが表示され、赤に切り替える設定はない。メニューがないためカメラ本体でのSDカードのフォーマットは不可。
またライカ(Typ262)と同様ライブビュー機能がそもそもないため、EVFも使用できない。(後のライカM10-DはEVFが使用可能。)
このように機能の一部が実施省かれているため様々な制約があるようで、実質写真を撮るという行為自体は変わらない。むしろこれまで「カメラの操作」として複雑化していたことや、撮影の本質とは関係がない部分が削ぎ落とされたため、撮影行為だけに集中できるメリットが浮き上がるといった構図になっている。
LEICA M-D (Typ262)のメリット、デメリット
- 背面液晶がない。
- 背面液晶はないものの、特に軽くはなっていない。
- 往年のライカらしい佇まい。
- ブラックペイントなので経年で剥げてきて真鍮が見えるエイジングを楽しめる。
- 自然な色味が得られやすい。
- 撮影に集中しやすい。
- 暗所に強く、室内においても撮影しやすい。
- M9系と同じくトッププレートのファインダー側に段差のあるデザイン。
- M9、M10とも異なる絵作り。
LEICA M-D (Typ262)に関するアイテム
LEICA M-D (Typ262)で撮影された作例
PHOTO BY francois karm
PHOTO BY Roland Tanglao
PHOTO BY francois karm
LEICA M-D (Typ262)を選ぶのに向いている人
ライカの意欲作であり、通常のメーカーでは絶対に商品化されないようなモデルのライカM-D (Typ262)。
写真を撮った後の確認に時間を費やしているのなら、いま目の前にあるものに注意を向けてより良い写真を撮ったほうが良い、そうライカは言っているようにも思える。
このモデルを特殊と見るか、それとも機能が肥大化しても、盲目的に画質や瞬間だけを追い求めるカメラこそがスタンダードだと主張するかは自由だ。しかしライカがこのモデルを投入し、このカメラの存在意義として「本来写真撮影とはどうあるべきか」を投げかける姿勢はとても挑発的でユニーク。その考えに少しでも共感できるのなら、このカメラを手にした瞬間にまたこれまでとは違った姿勢で撮影に望めるのではないだろうか。
初めてライカを手にする人、初めてデジタルカメラに触れる人にこそ、このカメラを手にしてもらえたらまた新しい価値観が繋がれていくのではないかと思う。
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【関連】
フォトヨドバシ "RANGEFINDER" | LEICA M-D (Typ262)
Kasyapa for LEICA | LEICA M-D (Typ262)
デジカメ Watch | LEICA M-D (Typ262)
ライカM型カメラ
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